NIO の散歩道 365 植物図鑑風写真集
和名キ リ(桐)
園芸(流通)名
別名
科ノウゼンカズラ ➡ キ リ に変更( APGⅡ)
属(和名属)パウロウニア( キ リ )
学名Paulownia tomentosa
ラテン語読みパウロウニア・トメントサ
英名Karri tree , Princess tree
原産・分布地九州、隠岐島、朝鮮半島などの
原産・分布地山野に野生状態、原産地不明
園芸上分類落葉高木

 キリは、九州、隠岐島、 朝鮮半島などの山野に野生状態で見られるが、 原産地はまだよくわからない。

 日本や朝鮮半島ではおもに材を得るために古くから栽培された。 生育の早い落葉高木で、高さ10~15mに達する。
 5月に葉に先立って多数の紫色の花を咲かせる。 萼は黄褐色の蜜毛におおわれ、花冠は長さ5~6㎝である。
 葉に先立って咲くとなっているが、 私が撮影したものは葉と花が同時にある。 これはキリではないのか? しかし、 どう見ても花はキリの花である。
 キリ以外として可能性の高いものとして、 「タイワンウスバギリ」が考えられるが、 決め手がなく今後の検討課題である。
 三枚目(左下)は、 前年の実の殻だけが残ったものである。
 四枚目(左最下段)は新芽である。

 キリの木材は、くすんだ白色から微紅色をした、 やや散孔材的な傾向をもつ環孔材で、 年輪は明瞭で心材と辺材の区別は明らかでなく肌もやや粗い。
 比重が0.3と国産材ではもっとも軽軟で、燃えにくく、 防湿性に富み、狂いも割れも非常に少ない。
 また、切削や接着が容易で磨けば光沢がでる。
 このように優れた性質を多く持っており、たんす、 長持、火鉢などの家具、建築物の装飾部分をはじめ、 漆器木地、各種箱類、金庫の内貼り、琴などの楽器、 卓球のラケット、下駄、人形、仮面など、 じつにさまざまな用途がある。

[ 引用 : 園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
     花の名前(植村猶行監修:NHK出版)]

 一般に「キリ」といわれているものにはいくつかある。
 梧桐(ごどう)はしばしばキリと混同されるが、 これはアオギリ科のアオギリ [ Firmiana simplex ] である。
 その他に「タイワンウスバギリ」、「ココノエギリ」、「シナギリ」 などと呼ばれるものもキリの代用品として利用されるが、 いずれも材質はおとる。

 キリは中国大陸から渡来したものといわれるように、 キリ材の出土は歴史時代以前には知られていない。また、 文献上では『源氏物語』の桐壷の巻の存知や、 「枕草子」の「桐の花むらさきに咲きたる………」などの記述があり、 古くから人々に親しまれ、利用されていたことがうかがわれる。

【追記】
 キリ属は、 APGⅡ でノウゼンカズラ科から分離し、新設のキリ科(シソ目)となった。

1・2・4枚目画像撮影日:2005.05.08
    3枚目画像撮影日:2005.07.16

2015.02.28 First making day [2k/22ki/142100]
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