NIO の散歩道 365 植物図鑑風写真集
和名パンジー
園芸(流通)名
別名サンシキスミレ(三色菫)、
別名ユウチョウカ(游蝶花)、コチョウソウ(胡蝶草)
科スミレ
属(和名属)ウィオラ(スミレ)
学名Viola × wittrockiana
ラテン語読みウィオラ・ヴィットロキアナ(交配)
英名Garden pansy
原産・分布地交配種の園芸品種群
園芸上分類多年草


 パンジーは、数種の複雑な交配から生じたとされる園芸品種群である。 以下にパンジーの園芸品種の成り立ちを示す。
 なお、 Viola (ウィオラ) を V. と表す。

 V. tricolor (V.トリコロル)は古くよりイギリスを中心に園地で栽培され、 ハーツイーズとよばれて親しまれていた。
 積極的な品種改良の努力が払われたのは1813年からで、 イギリスの園芸家トムソンにより選抜が始められ、 その結果1835年には400の園芸品種ができていたという。
 トムソンの改良はさらに続き、やがてショウ・パンジー ( show pansy ) とよばれるものを完成する。花径は4㎝以上、 花弁は平滑で丸くブロッチ斑(花びらに入る濃色の斑点) をもっており、おもに挿芽で維持された。
 一方、ベルギーやフランスに渡ったものはさらに発達をとげ、 ファンシー・パンジー( fancy pansy )とよばれるものとなった。 花はいっそう大きく、径5㎝以上あり、色彩の変化も多彩であった。
 このころのパンジーは展示会などでの鑑賞が多かったが、 しだいに花壇での鑑賞に重点が置かれるようになり、 同時に種子増殖が普及してきた。

 フランスのトリマルドは花壇植えに適した、 花色の美しいトリマルド系を完成し、 一方ドイツでは耐寒性の強いヒエマリス系が生まれた。
 これらは中輪のパンジーの基盤をなして現在でも作られている。 20世紀になると大輪のスイス・ジャイアント系が登場する。

 これらのパンジーの起源を詳しく調べたスウェーデンの ヴィットロクによると、近代のガーデンパンジーの起源には V. tricolor のほか V. lutea (V.ルテア)、 V. cornuta (V.コルヌタ:和名ツノスミレ)、 V. altaica (V.アルタイカ)、 V. calcarata (V.カルカラタ) などが交雑されたと考えられ、遺伝的にかなり複雑になっていることがわかった。

 一方、 V. cornuta の血を強く持った系統は、小輪ながら無数の株立ちとなって咲く タフテット・パンジー( tufted pansy )とよばれるグループをつくっている。 日本ではこれを小輪パンジー、あるいは  ウィオラ  と呼んだりしているが、最近ではさらに大輪系と交雑された 園芸品種がでてきたりして、区別が難しくなりつつある。

 パンジーが日本にもたらされたのは1864年(元治1) ころといわれている。三色スミレ、游蝶花、胡蝶花の名で親しまれていた。
 戦後、東京近郊では荒川沿岸の鹿骨に多くのパンジー苗生産があり、 地堀り苗をトロ箱に詰めて、花壇苗用として市場や花店に出荷していた。 これは昭和30年代まで続いたがしだいに都市化の波に追われ、 現在では埼玉県、神奈川県などに移動している。
 昭和40年代に入ると、種苗商社による育種努力が盛んになり、 世界的な1代交配種が次々と生まれるようになる。

 戦後、アメリカでは大輪系パンジーの品種改良が盛んで、 メイプルリーフ・ジャイアント系、スティール・ジャンボ系、 あるいはオレゴン・ジャイアント系など花径が 10㎝におよぶ独特の巨大輪系が作り出されたが、 いずれも花色が中間色のくすんだものが多く、 株立ちにも欠点があって大勢を占めるにはいたらなかった。


 1966年になると坂田種苗(現在のサカタのタネ)で育成された 1代交配品種のマジェスティック・ジャイアント系の白と混合色のものが、
オール・アメリカン・セクションズに入賞し、注目を集めた。 花径が10㎝を超える巨大輪で、しかも開花の早いのが特徴で、その後続いて
発表されたレッド、イエロー、ブルーなどのものとともに 1代交配種の優秀性を世界に認識させ、これを機にパンジーも1代交配種の
時代に入っていくことになる。

 1975年(昭和50)にはタキイ種苗で育成された品種が、 引き続いてオール・アメリカン・セクションズに入賞した。
 これら日本で生まれた巨大輪品種や、その後現れた「20世紀シリーズ」、 「ベッダシリーズ」といった中輪のFパンジーが現在でも
諸外国に輸出されている。
 最近はアメリカやヨーロッパでも盛んに1代交配品種が育成されているが、 過去にオール・アメリカン・セクションズに入賞した
パンジーの5品種のうち、4品種は日本で育成されたもので、 日本はパンジーの品種改良で世界をリードしているといえる。
[ 引用 : 園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ] 

 ところで、四・五枚目(左上三・左最下段)のパンジーが、 顔に見えるのは私だけでしょうか?。
 四枚目は、髭を生やしたおじさん顔に、五枚目は、どことなく怒った顔に見える。

 本属の仲間は、  スミレ 、  タチツボスミレ 、  タスマニア・ビオラ 、  ビオラ 、  ビオラ・ブルースワール 、
  ビオラ・ソロリア・プリンケアナ  などを掲載している。

1枚目画像撮影日:2004.04.29
2枚目画像撮影日:2007.03.10
3枚目画像撮影日(場所):2006.03.21 (佐布里緑と花のふれあい公園(梅っ花そうり)[愛知県知多市])
4枚目画像撮影日:2004.05.02
5枚目画像撮影日:2004.05.05

2015.08.15 First making day [6h/61ha/243300]
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