1990年代以降にDNA塩基配列を用いた分子系統学が普及し、
詳しい被子植物の系統関係を解析することが可能となったことにより、
現在の植物の分類は、分子系統学の手法を用いた植物の分類体系が主流になりつつある。
特に、被子植物の分岐を調査する研究は近年飛躍的に進み、
新しい知見としては APG (Angiosperm Phylogeny Group:
被子植物系統研究グループ)に集約されており、
学術先端分野ではすでにAPGの体系に移行し、
新エングラー体系やクロンキスト体系は歴史的体系として扱われている。
APG分類体系の初版は、1998年に公表されたが、
固有の名称はなく当初は APG system などと呼ばれ、
現在では区別のため APG Ⅰと呼ばれている。APG はその後も研究が進められ、
2003年に第二版が、2009年に第三版が、2016年に第四版が発表され、
それぞれ APG Ⅱ、APG Ⅲ、APG Ⅳと呼ばれている。
なお、分子系統学とは、生物のもつタンパク質のアミノ酸配列や
遺伝子の塩基配列を用いて系統解析を行い、
生物が進化してきた道筋を理解しようとする学問であり、
「全生物は共通祖先から進化した」という仮説に基づいており、
全生物には関連(系統)があり、
これを系統樹という形で表すことができとしている。
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