ミズキ ➡ ガリアに変更( APGⅢ)
アウクバ(アオキ)
Aucuba japonica
アウクバ・ヤポニカ
Japanese aucuba , Japanese laurel
日本原産で北海道から沖縄まで分布
常緑低木
アオキは日本原産で北海道から沖縄まで広く分布している。
高さ1~2mになり、葉は長楕円形で長さ8~20㎝、
幅2~10㎝で中ほどから先端にかけて鋸歯がある。
花は3~5月に咲き、花弁は紫褐色、ときに緑色が有る。
果実は秋から冬にかけて熟し、色は赤、オレンジ、黄、白などが有る。
葉にはさまざまな斑の入った園芸品種が多数ある。
アオキ属の植物は3種あり、ヒマラヤから東アジアにかけて分布している。
高さ1~4mになる常緑の低木である。
葉は楕円形ないし披針形である。葉はしなやかで表面に光沢があり対生する。
雌雄異株で花は円錐花序につき、花弁と萼片はともに4個である。
雄花には雄しべが4個あり、子房は痕跡となる。
雌花は雄しべを欠き、太く短い花柱をもった雌しべが1個あり、
子房は下位で1室で1胚珠がある。
果実は楕円形の石果で長さ1~2㎝で赤色が多い。
3枚目(左)は、野の調べさんが、「花冷え」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 アオキの実は観たことがありますが、
花は初めて観ました。春に紫色の花をつけ,
冬に,赤い実をつけるそうです。』
1枚目画像撮影日:2005.04.02
2枚目画像撮影日:2005.03.13
3枚目画像投稿日(投稿者):2005.04.03(野の調べさん)
アオキの名は、葉はもちろん枝や幹までも緑色をしているところから
ついたものと思われるが、その名が文献に現れるのは遅く、
江戸中期の「花譜(かふ)」(1694年、元禄7年)においてであり、
それ以前の栽培歴は不明である。
1824年(文政7)の文献には斑入り品種4種、青葉品種3種が記載されており、
現在栽培されている園芸品種の基本的なものは
すでにこの時代にできていたものと考えられている。
【アオキの文化史】
アオキの園芸品種は江戸時代後期に、
おもに斑入り植物として認められたが、
タチバナやマツバランのように品種分化は進んで
いなかった。ただ庭木として普及していたことは
小野田直武氏や酒井抱一氏の美しい絵が残されていることでわかる。
これらの絵のアオキには赤い実がついており、
実つきのものを鑑賞していたことがわかる。
アオキの実つきについては、ヨーロッパに移されたアオキでも問題にされていた。
1783年にヨーロッパに渡ったアオキは黄色の斑入り品で雄株であった。
アオキはヨーロッパ各国に広がり、多く用いられたが、
耐寒性のある常緑広葉樹であるうえ、日陰にも強いことが好まれた。
フォーチュンがイギリスに入れた、
斑のない緑葉の個体には雌株と雄株の両方があって、それらの交雑によって、
初めて1864年にアオキの結実が見られた。
また、最初に入っていた黄斑入り葉品に赤い実がついた図は、
1866年に発表された。
その後、葉形、斑の種類、丈の高さなどの組合せで、
数多くの園芸品種がつくられたが、矮性で鋭鋸歯のある小葉品で、
よく結実する「ナナ・ロツンディフォリア」
[ Nana Rotundifolia ] が現れ、
1969年にイギリス王立園芸協会賞を受賞している。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前(植村猶行監修:NHK出版)]
【追記】
アオキ属は、 APGⅡ
でミズキ科から分離し、新設のアオキ科(ガリア目)となったが、
APGⅢでガリア目のガリア科に統合された。
したがって、新設されたアオキ科はガリア科の異名科扱いとなった。