エ
ニ レ ➡ ア サ に変更(APG Ⅱ)
ケルティス(エノキ)
Celtis sinensis
ケルティス・シネンシス
Japanese hackberry
福島以南の本州、四国、九州に自生、台湾、
朝鮮半島、中国中南部、ベトナム、タイにも分布
落葉高木
エノキは、日本では福島以南の本州、四国、 九州に自生するが、東北地方の日本海側にも野生する。
朝鮮半島、台湾、中国中南部、ベトナム、タイにも分布する。
エノキは、社寺の境内や山林中にごく普通に見られる。
並木などにも使われる落葉高木で高さ20mにも達する。
葉は長さ5~10㎝で長楕円形で先が短くとがり、
中部以上に鈍鋸歯がある。
上面はほとんど無毛で葉脈3~4対が下面に突出する。
葉柄は長さ5~6㎜である。
花は、4~5月に淡黄色の花をつける。
雄花は本年枝の下部に1~3個つくが、葉腋にもつき、
また前年の枝にもつく。
本年枝の上部の葉腋には両性花1個がつくが、
雄花1個と対になることもある。いずれも花被片は4個で、
雄しべも4個である。
両性花の花柱は2裂し、その内部には密に短毛が生える。
小豆粒大の果実は球形~広楕円形で熟すと褐色から赤褐色になる。
果径6~8㎜で果柄は長さ7~9㎜で、核の表面に網紋が見られる。
庭園、公園の緑陰樹に植栽され、まれに盆栽に利用する。
材は建築、家具、器具などにケヤキの代用とされる。
エノキ属は、熱帯を中心に北半球の温帯にかけて約80種が分布し、
日本には4種が見られる。
常緑または落葉の高木まれに低木で、
日本の4種はすべて落葉高木である。
葉は互生し、狭卵形で鋸歯縁または全縁で3脈が目立ち葉柄は長い。
葉脈は縁の近くで曲がり縁まで達しない。
花は本年枝に集散花序をなしてつき、葉とともに開くが、
花序は雄性、両性または雑居性で、同一株に混在する。
両性花は1~3個が葉腋につき、雄花は枝の下部に束状につく。
いずれの花も花被は4~5裂し、雄しべは花被片と同数になる。
両性花の子房は上位で無柄である。
頂部につく短い花柱はふつう2裂する。
果実は球形または卵円形の石果で果皮はかたい。
枝は骨質で表面は平滑か網紋がある。
葉脈が鋸歯の先まで届かず、子葉も細長くない点で
ムクノキ属
と区別される。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
【追記】
エノキ属は、APG Ⅱ
に基づきニレ科からアサ科(バラ目)に変更になった。