マ メ ( マ メ 亜科)
ピスム(エンドウ)
Pisum sativum
ピスム・サティウム
Garden pea , Green pea ,
Common pea , English pea
中近東、地中海沿岸、アビシニアに分布
耐寒性蔓性一年草
エンドウは、エンドウ属の1種で、
種子や若い莢を食用とする野菜であり、古くから栽培されてきた。
エンドウは、耐寒性のある蔓性一年草である。
花は蝶形で果実は扁平な豆果である。
エンドウは、園芸学的には、一つの種
Pisum sativum とし、これを亜種または変種として、
2つのグループにわけることが現在一般化している。
ひとつは、アルウェンセ群( arvense,
英語では field pea
、日本では東洋系ともよぶ)で、おもに赤花、
丸形または角ばった乾燥種子はデンプン含有率が高く耐乾性が強い。
もうひとつは、ホルテンセ群( hortense,
英語では garden pea 、
日本では欧州系ともよぶ)で、おもに白花、
乾燥種子は大粒でしわがあり、糖含率が多い。
しかし、少なくとも現在成立している栽培品種では、
この両者の中間型も多く、厳密な区分は難しい。
このほかに、用途別にむき実エンドウと莢エンドウに分ける。
前者は未熟の種子を生果として、または冷凍、
缶詰用として利用するが、 莢エンドウは未熟の莢ごと生果として食用にする。
なお、むき実用エンドウを完熟させて子実をスープなどに利用することもある。
これらの用途別分類群にはアルウェンセ群とホルテンセ群が入り混じっている。
一・四枚目は、赤花であり、アルウェンセ群のものと思われる。
二・三枚目は、白花であり、ホルテンセ群のものと思われる。
エンドウは、世界的に見てムギ類と同じくらいに古くから栽培された植物で、
中近東やヨーロッパの新石器時代(紀元前7000年前後)
の住居跡に種子が発見されている。
ヨーロッパでは古代ギリシャ時代に栽培の記録があるが、
16世紀までは栽培品種の記載がない。18世紀後半、
イギリスで交雑育成が進み、現在の栽培品種もこれに負うところが多い。
日本では、10世紀に文献上に現れたが、
これは中国からきたアウウェンセ群のものと考えられる。
明治時代になって両群の栽培品種が数多く導入された。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]