オニヅタ(鬼蔦)、フユヅタ(冬蔦)
ウコギ
ヘデラ(キヅタ)
Hedera rhombea
ヘデラ・ロンベア
Japanese ivy
日本、朝鮮半島南部、台湾の山野に自生
蔓性常緑低木
キヅタは、日本、朝鮮半島南部、
台湾の山野に自生する常緑の低木で蔓状に伸びる。
気根を多数出し、樹木や石垣などに吸着してはい登る。
本種は、30~40mも伸びる。耐寒性は強く、
本州以南では露地で越冬する。
幼葉は3~5裂して、成熟した枝のものは卵円形で表面は光沢がある。
秋の終わりには小枝の先に、球形で黄褐色の花が散形花序につく。
花弁、雄しべともにそれぞれ5個である。
果実は液果状の石実をつける。翌年に熟して黒くなる。
一枚目(右上)のマクロ画像で花の様子がよく分かる。
また、二枚目(左上)の画像は実であり、
3月に撮影したもので、実が黒くなる前の状態である。
三枚目(左)は、花が咲き終わった状態である。
本属の仲間は、
ヘデラ・ヘリックス 、
ヘデラ・ヘリックス・ゴールド・ハート を掲載している。
キヅタ属は、北アフリカ、ヨーロッパ、
アジアに8種があり、そのうち日本には1種と2変種がある。
今日世界でもっとも盛んに栽培され、利用されているのは、セイヨウキヅタである。
現在、世界のヘデラ協会に登録されている園芸品種だけでも数百に上がっている。
日本にはすでに約100種あまりが導入されている。
用途はきわめて広く、道路の分離帯や法面、公共緑地帯をはじめ、
住宅の小庭、フェンス、建物やベランダ装飾などに使われている。
また、鉢物のヘゴ仕立て、つり鉢、ミニ観葉などのグリーンインテリアの材料や、
切り葉や切り枝を使ったフラワーデザインの添え葉としても急速に需要は高まってきている。
しかし、もっとも多いのはカバープラントとしての利用である。
性質は、日当たり、日陰を問わず丈夫で生育を果たし、栽培も容易である。
キヅタ属は、常緑つる性低木で多数の気根を出して、吸着して登る。
葉は単葉で互生し、光沢があり厚い。
幼葉と成葉では葉形に違いの見られることがあるが、
ふつう葉身は全縁か粗歯牙縁となり、3~5浅裂する。葉柄は長い。
秋の終わりには小枝の先に、球形で黄褐色の花が散形花序に多数つく。
花弁、雄しべともにそれぞれ5個で、
子房は5室で花柱の先は癒合して短柱状をしている。
果実は液果状の石果をつけ、中に3~5個の種子を含んでいる。
翌年に熟して黒くなる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]