NIO の散歩道 365 植物図鑑風写真集
和名ザクロ(石榴)
園芸(流通)名
別名
科ザクロ ➡ ミソハギに変更( APGⅡ)
属(和名属)プニカ(ザクロ)
学名Punica granatum
ラテン語読みプニカ・グラナツム
英名Pomegranate
原産・分布地小アジア、アフガニスタン、ヒマラヤに分布
園芸上分類落葉小高木


 ザクロは、イラン高原を中心とした小アジアからアフガニスタン、 ヒマラヤにかけて分布する落葉小高木である。
 花は新梢の先端につき6月ごろ開花する。 萼は革質で基部は漏斗状となり子房と癒着し、先端は5~8裂する。
 花弁はふつう6個であるが、5~8個の変異がある。 果実は初秋に成熟し、球形で橙紅色で上部に宿存萼があって 外果皮が不整に裂開する。 食用とするのは赤色多汁の外種皮で、リンゴ酸、 クエン酸を含み清涼飲料の原料ともなる。

 ザクロは、人類の歴史の中で、もっとも古く栽培の始まった 果樹のひとつであり、ユダヤの第2番目の王ソロモンも 3000年前ザクロの果樹園を開いたというほどである。
 ギリシア時代にはカルタゴ人が愛好し、 ラテン系民族の南ヨーロッパ各国や北アメリカに定着し、 「カルタゴのリンゴ」という愛称まである。
 現在でもイタリア、フランス、スペインなど地中海沿岸諸国、 イラン、アラビア、アフガニスタン、ロシア、インド、 中国などでは果樹として栽培されている。

 ザクロの英名はラテン語に由来し、「種子の多いリンゴ」 の意味である。ブドウとともに有史前からの古い果樹で、 日本へ渡来したのは10世紀ごろといわれている。 しかし、日本においては果実は副次的に利用されたにすぎず、 もっぱら観賞樹木としての用途に重点が置かれたようで、 江戸時代の園芸書にも花ザクロに関しては多くの記述があるが、 果樹としての品種には見るべきものがない。
 一般的には一重の赤花で結実するものを実ザクロ、 雄しべが弁化して八重となったもの、 あるいは一重でも花色の変わったものを花ザクロと称しているが、 もちろん特定の種を指すものではない。

 ザクロ科は、ザクロ属のみからなる単型科であり、 ミソハギ科やハマザクロ科との類縁関係が指摘されており、 ともにフトモモ目にまとめられている。

[ 引用 : 園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
     花の名前(植村猶行監修:NHK出版)]

【追記】
 ザクロ科は、APGⅡ でミソハギ科(フトモモ目)に統合された。 これによりザクロ科は、 APG 分類体系では使われない科となった。

 日本ではザクロは観賞用が主であり、 栽植されているものには園芸品種が多くある。
 一枚目(右上)は、花色が白色であるため園芸品種であるが、 園芸品種名は特定できない。
 二枚目(左上)は、八重咲きが美しい、園芸品種の「葉絞り」 (P. granatum cv. Hashibori )のようである。
 三枚目(左中)は、果実であるが、 本種が実ザクロの果実かどうかは判別できない。
 四枚目(最下段)も園芸品種と思われるが、園芸品種名は特定できない。

1・2枚目画像撮影日:2004.06.12
  3枚目画像撮影日:2008.10.20
  4枚目画像撮影日:2006.06.14

2015.04.03 First making day [3s/31sa/163700]
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