シャボテン
サボテン(オプンティア亜科オプンティア連)
オプンティア(ウチワサボテン)
Opuntia ficus-indica var. saboten
オプンティア・フィクス-インディカ
(変種)サボテン
Cactusy
アメリカ~南アメリカ原産
多年草
日本で有名な植物学者の牧野富太郎氏は、
サボテンとは、
Opuntia ficus-indica var. saboten
(オプンティア・フィクス-インディカ(変種)サボテン)
の和名であるとし、Cactaceae
に「サボテン科」の和名を与えた。
これが日本でサボテンが植物学的に取り上げられた初めと考えられている。
ここでいわれている基本種の
Opuntia ficus-indica
(オプンティア・フィクス-インディカ) は、
現在のサボテンの分類では、オプンティア亜科のオプンティア属
のオプンティア・フィクス-インディカ種を指す。
オプンティア属はサボテン科の中では最大の属である。
サボテン科の分類体系は1828年にド・カンドル氏による
『 Revue des Cactees 』
(サボテンの分類) が最初であり、その後の研究を取り入れ集大成されたのが
一連のバッケベルクの著作(1958~62及び1966)であり、
現在日本でもっとも広く流布している。
本書によるとサボテン科の属は次の3亜科に分類される。
コノハサボテン亜科(ペレスキア亜科) :
サボテン科中もっとも初期の
形態をしており、
普通の木本植物に近い形態をしている。
ウチワサボテン亜科(オプンティア亜科):
茎は多肉質で球形、卵球形、
円筒状ないし扁平楕円形である。
ハシラサボテン亜科(ケレウス亜科) :
3亜科の内で最大で214属あり、
もっとも一般的に作られ、
園芸的に人気の高い種のほとんどが含まれる。
サボテンが地球上に出現したのがいつかであるかは、
化石が見つかっていないので今のところわかっていない。
アメリカ~南アメリカが原産地と考えられているサボテンは、
コロンブスの第二次アメリカ探検隊が西インド諸島から持ち帰り、
ヨーロッパに伝えれれたと考えられている。
日本に渡来したのは、サボテンのことが初めて出てきた貝原好古氏の
「和爾雅(わじが)」(1688年)の少し前と考えられる。
サボテン科の植物学的な特徴は、茎に刺座
( areole )があり綿毛が密生し、
さらにさまざまな性質の毛や刺をもっていることにある。
刺は通常の葉とはまったく異なったもので、
むしろ短枝の変形したものと解釈される。このことはコノハサボテン類、
団扇型サボテン類などでは針の発生が続き、
年を経るにつれて針の数が増える。刺は植物体を外敵から守ること、
密生して体肌を強光から守るためである。
形態的な特徴にサボテンには稜(りょう)
とよぶ隆起した山形の稜線があり、
稜はときにいぼ状やこぶ状にくずれる。
この稜は表面積を広くしてラジエーターの役目を果たし、
雨期の吸水量を増し、稜のおうとつは球体に陰をつくり、
刺と相まって植物体の過熱を防ぐものと考えられる。
サボテン科の分類も年々変化しており、現在は、
大きく4つの亜科に分かれており、前述の
「コノハサボテン亜科(ペレスキア亜科)」
のみがそのままで、「ウチワサボテン亜科(オプンティア亜科)」
は「オプンティア亜科」になり、「ハシラサボテン亜科
(ケレウス亜科)」は「カクタス亜科」となり、
新しく「マイフエニア亜科」が加わっている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )]