リベス属は、北半球温帯寒帯に分布する落葉低木の果樹である。
本来スグリとは、スグリ属に属して、長野県や山梨県に分布する
R. sinanense
(R.シナネンセ)の和名であるが、栽培果樹としては、
ヨーロッパ産のセイヨウスグリ [
R. grossularia (R.グロッスラリア)]
と北アメリカ産のアメリカスグリ [
R. hirtellum (R.ヒルテルム)] 、
および両種の交配により生まれた多くの栽培品種群の果実の総称である。
ヨーロッパでは16世紀ごろから、
また北アメリカではヨーロッパからの移住が進むにつれて、
栽培と品種改良が進んだ。
日本では、1873年(明治6)にグーズベリーとして6品種が導入された。
東北地方では栽培が試みられた。しかしながら、
うどんこ病などの病気による被害が大で、
現在は北海道と東北の一部にわずかに栽培されるにすぎない。
リベス属は、約150種があり、北半球の温帯、
寒帯を中心にヨーロッパ、北アメリカ、東南アジア、
中国、シベリア、朝鮮半島北部などに多くの種が分布し、
南アメリカのアンデス山脈にもある。
日本では北海道、本州、四国、九州の高山および山地に約8種が自生する。
枝は無刺あるいは有刺、葉は互生し、
しばしば枝先に束生し、掌状に3または5裂することが多い。
花は5(まれに4)数性で、両性または単生で雌雄異株で、
前年度の葉腋に総状花序につくか単生する。
花で目立つのは萼で、花弁はふつう萼より小さく、ときにない。
萼筒は円筒形または車形で、萼裂片とともに着色する。
果実は球形の液果で、成熟すると緑、黄緑、赤色となり、
ときに短毛を有し、甘くて酸味があるので食用にされる。
英名の Currant は、
本属の中で、一般に無刺で花は総状花序につき、
花柄に関節のあるものを指し、
Gooseberry はその反対
の特性をもつものを指す。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]