スターチスは、地中海沿岸地域原産の半耐寒性多年草であるが、
園芸上一年草としてあつかっている。
切り花および花壇用に栽培されている。
草丈60~90㎝になり、株全体に粗毛がある。葉は根出し、
羽状中裂で縁が波うち、長さ20㎝くらいである。
花茎は2又分枝して散房状に偏側性の集散花序をつけ、
全体で複合花序を形成する。
小花序は3~5花からなる。花茎の分枝部には3個の線形の苞がつく。
また、花茎には3~5列の翼がある。
萼は漏斗状で上部が浅く5裂し、青紫、黄、桃、杏、白色などがある。
花冠は白か黄色で、萼より長い。
開花時期は、5~6月で、花茎が次々と抽だいし、開花期間が長い。
満開になった切り花は、花後も萼片は色あせしないで残るので、
風通しのよいところで乾燥すると色上がりのよいドライフラワーになる。
園芸品種も多く作り出されている。
日本には1925年ごろ渡来した。
スターチスは、花の中に花が咲いているようにも見えるが、
外側は萼が色ついたものであり、その色も多数あり、
中心の花色との組み合わせで、いろいろな花姿がある。
イソマツ属は、すべての大陸に広く分布し約300種がある。
そのほとんどが多年草であるが、低木、一年草もある。
葉はロゼット状をなし、低木では互生する。
葉縁は羽状中裂か全縁である。
花は花茎が抽だいして開花し、多数の小さな花がつく。
花茎が叉状によく分枝して花序を形成し、
分枝部は鱗状の苞に囲まれる。
萼は膜質で筒状漏斗形で基部に5または10肋があり、
ときに着色する。
花弁は5枚あるが基部で合生する。
雄しべは5個でそれぞれ花弁の基部につく。
子房は1室である。蒴果は宿存萼に包まれ、
裂開または不裂開性で、1種子を含む。
多年草として栽培されているほとんどの種が耐寒性のあるもので、
ロックガーデン、花壇、鉢物および切り花に用いられるほか、
ドライフラワーとしても用いられる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]