ダイコンは、ダイコン属の1種から生まれた栽培植物の総称で、
多肉根を野菜として利用するものが多い。
ダイコンは、千年前にはオオネとよばれ、「大根」
の字があてられていた。その後、音読みがされてダイコンとなった。
漢名は、ギリシア、ラテン語の言葉に由来しているから、
ヨーロッパから伝わったことを示す。
ダイコンはふつう越年草である。原産地は不明であるが、
栽培種のもととなるものが、地中海沿岸地方に多い。
葉は根出し、全縁のものもあるが多くは羽状全裂するか羽状複葉となる。
本種は、次の8変種に分類されている。
サヤトリダイコン……〔 var. caudatus
〕………果実が長さ20~60㎝に達する。
アブラダイコン……〔 var. caudatus
〕………根茎が肥大せず、種子に油が多く含まれる。
クロダイコン………〔 var. niger
〕……………根茎は肥大して辛みを有し、外皮が黒色である。
ハツカダイコン……〔 var. sativus
〕…………根茎は肥大し、径1~3㎝、長さ2~10㎝で外皮は紅紫色か白色である。
ケナシダイコン……〔 var. glabrifolius
〕……根茎は肥大し、強い辛みを有し、葉は無毛で光沢がある。
ヒトツバダイコン……〔 var. nonpinnatus
〕…葉は全縁あるいは切れ込みが少なく、カラミダイコンやカキバダイコンという
栽培品種がある。
筧橋紅ダイコン……〔 var. stipitatus
〕………葉は羽状全裂し、根は球形で紅色である。
ダイコン……………〔 var. hortensis
〕………葉は羽状全裂し、日本や中国で栽培されている
ダイコンの大部分がここに分類される。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]