ダイズは、ダイズ属の1種で豆果を食用とする。
東アジアに分布する一年草である。茎は直立し、
草丈は30~90㎝がふつうであるが、蔓性のものもある。
葉腋より分枝を生じる。茎、葉、莢は有毛である。
花序のつき方、茎の伸び方には、栽培品種により違いがある。
花は白、紫、淡紅色で長さ約5㎜と小さい。
豆果は長さ5㎝前後のものが多く、ふつう2~3個の種子をつける。
成熟した莢の色は淡黄、褐、黒色などがある。
種子は球形、楕円形が多く、扁平なものもある。
大きさは5~10㎜で栽培品種により大きな違いがある。
種子の色は黄、濃淡の緑、褐、赤褐、黒色があり、
まだらや種々の模様のあるものもある。
黄緑色の黄粉用、みそ、豆腐用の丸大豆、黒豆、煮豆用、
浸し豆用など、用途に合った色、形の品種が分化している。
加工原料には黄色のものが用いられる。
ダイズはおそらく東アジアに広く自生するツルマメ
〔G. max ssp. soja
〕の栽培化によって起源された。
このツルマメは古代から食料とされていた。これが栽培化され、
栽培型のダイズが成立した起源地は中国東北部、
シベリア、アムール川流域と推定されている。
この栽培型が中国北部の東方地域から中国南部、朝鮮半島、
日本および東南アジアの諸地域へ伝播したのは
紀元前3世紀から紀元後7世紀である。
また、一説にはツルマメと中国南部に自生する
G. tomentosa
との雑種から現在の栽培型のダイズが成立したともいわれている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]