タチアオイは、中国から渡来し、古くから花壇に植栽される越年草である。
高さ3mにも達し、全草毛におおわれる。葉は大きく、
心臓形で長い葉柄があり、5~7裂して裂片には鋸歯がある。
花は葉腋に1~2個つき、茎頂部に集まる傾向がある。
多数の園芸品種が知られていて、白、桃、紅、淡黄色、
黒紅色など花色の変化に富み、また八重咲きもある。
本種は、長らく中国原産とされてきたが、現在ではトルコ原産の
A. setosa (A.セトサ)と
東ヨーロッパ原産の A. pallida
(A.パリダ)との雑種ではないかと考えられている。
タチアオイ属は、越年草または多年草で、
地中海地方東部からアジアにかけて約60種が知られている。
葉は掌状に分裂し、花は比較的大きく径5㎝以上ある。
萼片は5個で花弁も5枚である。
雄しべは多数あって花糸の基部が合生して5稜形の筒をつくる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
本属の植物はアルタエア( Althaea
)に含めてタチアオイ属として扱われることもある。
しかし、Alcea
(狭義のタチアオイ属)は( Althaea
)(ビロードアオイ属)よりもむしろハナアオイ
[ Lavatera (ラヴァテラ)]
に近いとする意見もあり、本図鑑では参考図鑑に基づき
Althaea とは別属とした。