ツ ゲ(黄楊)
ツ ゲ
ブクスス( ツ ゲ )
Buxus microphylla var. japonica
ブクスス・ミクロフィラ(変種)ヤポニカ
Japanese boxwood
関東以西、四国、九州に分布
常緑小高木
ツ ゲ
ブクスス( ツ ゲ )
Buxus microphylla var. japonica
ブクスス・ミクロフィラ(変種)ヤポニカ
Japanese boxwood
関東以西、四国、九州に分布
常緑小高木
ツゲは、関東以西、四国、九州の山地に分布し、
石灰岩地や蛇紋岩地に多い、常緑小高木である。
小枝は無毛で4稜形となり、基部に芽鱗が宿存する。
葉はほぼ無柄で倒卵形か長楕円形でわずかにおう頭で長さ
1~3㎝で縁辺はやや裏側に巻く。
花は淡黄色で、3~4月に開花する。
櫛といえばツゲといわれるように、ツゲの木材は独特の用途がある。
木材は微小な道管が均質に分布する散孔材で、
成長はきわめて遅く、黄色、心材と辺材の区別が明らかでない。
材質は均質で非常にかたく、緻密できめが細かく狂いが少ない。
また粘りけが強く、工作は容易で、表面はよく磨けば光沢が出る。
耐久、保存性に優れ、生長が遅いことも相まって、
国産の木材中でもっとも高価なものである。
ツゲのおもな用途に、櫛材、印材、版木をはじめ、
笛、三味線や琵琶のばち、そろばんの球、定規、製図、
測量用具、将棋の駒、家具指物、象眼などの小細工ものがある。
櫛材としての利用の歴史は古く、
奈良時代の平城京跡や藤原京跡から見つかっており、
上古からツゲの櫛は女性の髪を飾っていたことがうかがえる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
三枚目(左)は、結実したばかりの果実であり、
花柱が3個であるので、花柱のなごりが3個あることが確認できる。
ツゲ以外にツゲと名の付く植物には、イヌツゲ、マメツゲなどがあるが、
イヌツゲ、マメツゲはモチノキ科モチノキ属の植物でツゲとは科・属ともに異なる。