ニゲラは、南ヨーロッパ原産の一年草である。
草丈60~80㎝くらいで、茎は直立し、分枝性に富む。
葉は互生し、羽状裂片は糸状に細裂する。
花は径3~4㎝で、青または白色で、
糸状に細裂した総苞に包まれる。
5~6月に開花し、種子にはダマセニンというアルカロイドや、
揮発性油のニゲルエールを含み、芳香があるので矯臭薬
(薬などの不快なにおいを消したりやわらげるために添加されるもの)
に使われる。
栽培されているものには一重、八重矮性、高性がある。
日本へは江戸時代の終わりごろに渡来した。
二枚目(左)の白色で花弁状に見えるのは、
萼片が花弁化したもので、さらに、それが八重化したものである。
クロタネソウ属は、16種あっておもに地中海沿岸から西アジアに分布している。
高さ40~80㎝になる直立性の一年草で、花壇、鉢物のほか、切り花に利用される。
葉は互生し、通常羽状分裂し、裂片は線状または糸状に細裂する。
花は通常枝端に単生する。萼片は花弁状でふつう5個あり、
白色、青色のほか紫紅色となり、ときに糸状に細裂した総苞に包まれる。
花弁は退化した先端が2裂した蜜腺状鱗片となる。
雄しべは多数である。雌しべは通常5個あり、基部で合生し、柱頭は角状である。
果実は袋果で、多くの種子を含む。