ハコベは、日本全国に分布する越年草である。全国の田畑、
道端、草地、庭などにふつうに見られる雑草である。
春の七草のひとつで、昔から食用にされた。
美味ではないが、厳寒期といえる旧正月に若々しい緑の葉を見ると、
七草に入れたい気持ちがわかる。
葉は対生で上部は無柄で、卵形で縁はなめらかである。
花は茎の上部にややまばらにつく。花弁は5枚で花色は白色である。
花弁は2つに深く裂け、全開すると10枚の花弁があるように見える。
開花時期は、3~9月である。
よく似た花にウシハコベがあるが、
ハコベの雌しべの花柱が3本であるのに対し、
ウシハコベは花柱は5本である。
また、葉が小形で茎の赤みが強いものはコハコベである。
ハコベ属は、ほぼ全世界に分布し、約100種が知られている。
一年草、越年草または多年草である。
葉は対生し托葉を欠く。葉柄は開花後に反曲することが多い。
萼片は5個で合着しない。
花弁は白色で5個まれに6個で、深く2裂する。
雄しべは10個であるが、数個しか発達しないものが多い。
花柱は3個で、まれにウシハコベのように5個のものもある。
果実は先端が6裂(ウシハコベでは10裂)し、
蒴果の裂片は果実の3分の1以上で、種子は円腎形である。
園芸的に扱われる種類は少ないが、
コハコベは雑草として著名である。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
本属の仲間は、
コハコベ を掲載している。