ヒイラギナンテンは、中国の浙江省以南、
台湾に分布する常緑低木である。
本属では日本でもっとも広く植栽されていて、
通常は1.5m未満の樹高だが、自生地では4mに達するものがある。
小葉は楕円状披針形で、通常11~17個ある。
葉の上面は暗緑色だが、冬には黄褐色を帯びた銅色に紅葉して美しい。
花序はやや横臥し、早春3~4月にかけて黄色花を開く。
果実は6~7月熟して、白粉を帯びた暗紫色になる。
17世紀末に渡来したとされている。
江戸時代に斑入り品種が生じて、「前田柊南天」とよばれた。
ヒイラギナンテン属は、東アジアから北・
中央アメリカにわたって約110種が分布する。
常緑低木で、分枝が少なく、小枝に棘がない。
葉は互生して奇数羽状複葉ないし3出複葉をなす。
葉柄基部に針状の托葉がある。
花は頂生の総状花序につく。萼は9個、
花弁は黄色で6枚である。雄しべは6個である。