アナナスガヤバ
フトモモ
フェイジョア(無し)
Feijoa sellowiana
フェイジョア・セロウィアナ
Feijoa , Pineapple guava
ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部原産
常緑低木
フェイジョアは、ウルグアイ、パラグアイ、
ブラジル南部原産の常緑低木である。
1890年にフランスの園芸学校教授アンドレ氏が
ウルグアイから持ち帰って植栽したのが最初で、
その後アメリカには1900年に導入された。
日本へは昭和の初めに林博太郎伯爵がアメリカから種子を持ち帰り、
実生増殖したのが最初で、その後池田成功氏、
大井上康氏らがアメリカから数品種を導入した。
日本の暖地でも栽培可能な亜熱帯性の果実であるが、
花も楽しめることから、
近年家庭での鑑賞用果樹としての利用が増えつつある。
同じ熱帯アメリカ原産でフトモモ科のグアバに似ており、
しかも果実がパイナップルグアバともよばれるが、
本属には種子に胚乳があり、蕾の中の雄しべが直立する点で異なる。
本種は高さ3~5mになる。葉は長さ5~7.5㎝の卵状長楕円形ないし
楕円形で革質で上面が光沢がある緑色で、
下面が綿毛をしき銀灰色を呈し、
一見オリーブの葉を大きくした感じである。
花は径4㎝くらいで肉厚の花弁の外側は白色で綿毛を生じ、
内側が紫色を帯びる。
花の中心には暗赤色の多数の雄しべが雌しべとともに直立し、
花弁の白色と鮮やかな対照をなす。
果実は長さ3~10㎝の卵形または長楕円形で、
頂部に宿存萼筒をいただき、緑色地にやや赤みを帯び、
白色の果粉でおおわれる。果実内部には肉質が緻密(ちみつ)
で白黄色の多汁な果実が充満し、甘味に富み、パイナップル、
バナナ、イチゴを合わせた風味である。
中心部に数十個の小さな種子をゆうするが、口中には感じない。
耐寒性は強く、-10℃でも寒害を受けないといわれ、
日本の西南暖地においても結実する。耐乾性もあり、
あまり土壌を選ばないが、排水良好で腐植に富んだ
砂質壌土が最適である。
フェイジョア属は、常緑低木で、
南アメリカ東南部および北アメリカ南部に2種がある。
葉は対生する。花は葉腋で単生する。
萼裂片と花弁はともに同数で4個である。
雄しべは多数あり、長く突出する。
花柱は雄しべと同長である。子房は4室からなる。
果実は長楕円形の液果で、萼裂片が残存し、
グアバに似た熱帯果樹である。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]