今日普通に見られるフリージアは、ほとんどが園芸品種である。
現在の園芸品種は、3~4種のものが先祖になって改良されたものとされるが、
おもに F. refracta
(F.レフラクタ)と F. armstrongii
(F.アームストロンギー)に由来する。
園芸的に戦前までは、
F. refracta var. alba や
バターカップが多く栽培されていたが、戦後はアメリカから入った新しい園芸品種や
八丈島の浅沼氏が作り出した園芸品種も広く栽培されるようになった。
さらに近年にいたりオランダから大輪系品種が続々と入り、
これまでの園芸品種にとって代わった。
フリージア属の原産地は南アフリカ南部のケープ地方で秋(2~3月)に萌芽し、
比較的低温(8~10℃)となる冬(7~8月)に開花する。
芳香のある高尚な早春の花として切り花または鉢植えとして鑑賞される。
ふつう6節を有する球形植物で、球茎は各節ごとに繊維質の外皮でおおわれ、
休眠が破れると頂端の芽が伸長して花を咲かせる。
花は漏斗状で長さ1.5~5㎝で白色または黄色であるが、
園芸品種には赤色や紫色などの色彩豊かなものが多い。
細長い弓形の花茎の頂端に総状花序を形成し、
通常6~10個の小さな花をつける。
花被片は6個で雄しべは3個で、花柱は短い3枝に分かれ、
各枝はさらに先端が2裂する。
子房は2室だがふつうほとんど結実しない。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]