プロテア・キナロイデスは、南アフリカケープ地方に
広く分布する常緑低木である。酸性の砂壌土に生育している。
乾燥に耐えるが、本来は水湿を好む。高さ0.3~2mの低木である。
葉は卵形で長さ12㎝、幅6㎝で無毛革質で葉柄がある。
花序は径30㎝と大きく、約40片の長さ15~20㎝の総苞片が花序を囲んでつく。
総苞片は桃色で美しい。
原産地の環境によって生態型が異なり、沿岸部のものは樹高が低く、
総苞片は角状を呈し、夏咲きで観賞価値は小さい。
高山産のものは、夏咲きであるが大きく、みごとな花をつける。
ケープ地方南西部の低山産のものは、葉の幅が広く、夏から冬にかけて咲く。
西部、東部の沿岸高原産のものは、葉幅が狭く総苞片は長く、冬から夏に咲く。
本種は、1976年に南アフリカ共和国の国花に制定された。
プロテア属は、南アフリカ、熱帯アフリカからエチオピアにかけて
約90種が分布する。そのうちの82種は南アフリカに産し、
さらにその中の69種はクランウイリアムからグレアムズタウンまでの地域に見られる。
常緑で高さ8mの高木から、地下茎を伸ばす低木まである。
葉は互生し、葉形はさまざまで、有柄、無柄、有毛、
無毛など変異があるが、大多数は全縁である。
本属の特徴は美しく彩られた総苞にあり、他属との見分けがつきやすい。
総苞に囲まれて無柄の小さな花が多数頭状花序につく。
花は非整形で、花被片は4個でそのうち内軸性の3個は基部に合生しており、
開花時に背軸性の1個が離れて花柱を露出させる。
雄しべは4個あり、3個が合生花被の舷部に、
残る1個(しばしば仮雄ずいとなる)が離生花被につく。
子房基部に4個の鱗片がある。
果実は小さい堅果で長毛におおわれている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]