NIO の散歩道 365 植物図鑑風写真集
和名ホウレンソウ(ほうれん草)
園芸(流通)名
別名
科アカザ ➡ ヒユに変更(APGⅡに基づき)
属(和名属)スピナキア(ホウレンソウ)
学名Spinacia oleracea
ラテン語読みスピナキア・オレラケア
英名Spinach
原産・分布地カスピ海南西部沿岸原産
園芸上分類一・二年草

 ホウレンソウは、ホウレンソウ属の1種で、葉を野菜として食用にする。
 ホウレンソウは、カスピ海南西部沿岸原産と見なされている一・二年草である。
 栽培品のみが知れれている種で、その野生種はまだ発見されていない。
 しかし、カスピ海南西部沿岸部に、近縁な2種の野生種、すなわち  S. tetrandra(アルメニア地方)と  S. turkestanica
(ウズペク地方)が分布しているので、この地域が現在の 栽培ホウレンソウの発祥中心地であるとみなされている。
 ただし、インドからネパールにかけての地域を発祥地とする研究もある。

 ホウレンソウが栽培に移されたのはおそらくイラン地方で、 紀元前後と考えられており、ムギ類やマメ類のような古い歴史はない。
 伝播は、西方へはムーア人らにより北アフリカを経て12世紀初めにスペイン、 13世紀にはドイツ、その後イギリス、フランス、
オランダとヨーロッパ全域に広まり、この間に西洋系品種が成立した。
 アメリカでは初期の移住者によって栽培が始められ、 その後とくに缶詰用品種が多くできた。
 東方へはネパールを経て7世紀、唐代の中国に種子伝播の記録がある。
 その後中国、ことに中国北部での栽培が盛んとなり、ここで東洋系品種が成立した。
 中国から日本への渡来は16世紀ころと見られるが、 その後もとくに重要な野菜とならず、そのためか栽培品種の分化もきわめて
少なかった。

 このようにホウレンソウは、ふつう東洋系と西洋系の2つの栽培品種群に分けられる。
 東洋系品種群は葉肉が薄く、葉縁の欠刻が深く、葉先がとがり、 根の基部の紅色が濃く、食味としては歯切れがよく淡白であり、
さらに種子に張り出した数本の刺がある、などの特徴をもつ。 一般に耐寒性は強いが抽だいしやすい。
 一方、西洋系品種群は、葉肉が厚く、葉縁の欠刻が少なく、 また葉柄が短く葉面にちじみの多いものがある。
 根部の着色は弱く種子に刺はなく、いわゆる丸種子のものが多い。 食味としては、一種のあくがあって日本料理には向かない。
 耐寒性は強くないが春先の抽だいは遅い。

 欧米ではすべて西洋系品種群が栽培されるが、 日本ではこの両品種群間での自然交雑による栽培品種ができ、また近年、
食生活の変化と栽培型の拡大にともない両社の交配による固定品種および 1代雑種が広く栽培されるようになった。
[ 引用 : 園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]

【追記】
  APG Ⅱ で、アカザ科(ナデシコ目)は 同じナデシコ目のヒユ科に包含されたため、ホウレンソウ属をヒユ科に変更した。
 これによりアカザ科は、 APG 分類体系では使われない科となった。

画像撮影日(場所):2007.02.10 (佐布里緑と花のふれあい公園(梅っ花そうり) 内花の館[愛知県知多市])

2015.09.22 First making day [6h/65ho/275300]
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