キ ク
リアトリス(無し)
Liatris spicata
リアトリス・スピカタ
Gayfeather
北アメリカ東部原産
多年草
リアトリスは、北アメリカ東部、ロード・アイランド州、
ミシガン州からフロリダ州、ルリジアナ州にかけて分布する多年草である。
ほとんど無毛で、茎は一本立ちで高さ150㎝になる。
下部の葉は線形または線状披針形で縁毛があり、長さ40㎝である。
頭花は無柄で密な穂状に多数つき、花序の長さは75㎝ほどである。
頭花は径0.8㎝で小花は10~18個つく。総苞は円柱形ないし狭鐘形で、
総苞片は狭く縁は膜質でしばしば紅色を帯びる。
花色は桃色である。開花時期は、7~9月である。
1732年にヨーロッパに紹介され、日本では槍(やり)
咲き種としてもっともふつうに栽培され、切り花に用いられている。
一枚目(右上)は、花色が白色であり、変種の
[ var. alba ]
(アルバ)である。
リアトリス属は、ヒヨドリバナ連の植物で、約三十数種があり、
すべて北アメリカに分布している。
地下部はときに塊状に肥大する。1~数本の太い茎を出し、
まばらに分枝する。
葉は互生し、線形または披針形で全縁である。
頭花(頭状花序)は小さく、長い花序に穂状につくか、
総状または円錐花序につく。
小花はすべて筒状で両性で、花色は紫紅色、
紅色または白色である。
花はふつう花序の頂端から開花し始める。
総苞は数列でかわら重ね状である。総苞片は披針形から円形で、
縁は乾膜質となり、縁毛が生えるもの、
不規則に深く切れ込むものなどがある。
痩果は10稜あり、羽毛状または剛毛状の冠毛がある。
丈が高く、夏から秋にかけて美しい花をつけ、
自然風庭園やボーダーに数株ずつ固めた植えるのによい。
ミツバチや蝶がよく集まる。切り花用に栽培され、
生け花にもよく使われる。
日本では頭花の咲き方から、穂状に長く咲く槍咲き型と、
固まって咲く玉咲き型とに分けることがある。
種間雑種ができやすく、園芸品種がつくられている。
耐寒性の宿根草であるが、球根として取り扱われることもある。