ローズマリー
シ ソ(イヌハッカ亜科)
ロスマリヌス(マンネンロウ)
Rosmarinus officinalis
ロスマリヌス・オッフィキナリス
Rosemary
地中海沿岸原産
常緑低木
ローズマリーは、地中海沿岸原産の常緑低木で、フランス、スペイン、
北アフリカなどで栽培されている。
高さ60~90㎝になり、株が古くなると枝がしばしば下垂する。
葉は線形で長さ1.5~4㎝で、下面は白い。
花は前年の枝につき、淡紫色で長さ1~1.5㎝である。
花序に星状毛はあるが腺毛はない。
ヨーロッパでは薬用や香辛料として広く用いられている。
マンネンロウ属は、地中海沿岸地域原産の常緑低木で3種がある。
茎は通常4稜形で、葉は単葉で対生する。
輪散花序は少数の花からなる。
萼は2唇形で、上唇は全縁で、下唇は2裂している。
花冠も2唇形であるが、上唇は2裂で、下唇は3裂する。
雄しべは2個で超出し、花糸の基部に歯状突起がある。
花柱は長く単純である。果実は4個の分果からなる
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
【ローズマリーの神話・伝説】
ローズマリーは、代表的な芳香植物である。
属名の
Rosmarinus とは「海の水滴」の意味で、
海岸の崖などに多いと想像されたことによるが、
俗にはまことしとやかに「聖母マリアのバラ」の意味に解されて、
これには聖母にまつわる伝承が少なくない。
スペインの伝説に、この木の花はもとは白かったが、
聖母がこれに上衣を投げかけて以来、
その上衣と同じ青色に変わったと言われている。
また、この木はエジプトへ逃れる聖家族をかくまったとも言い伝える。
この木はまた、存命中のキリストの身長より高くは決して伸びないという。
この木は古くは空気の浄化・殺菌に効くといい、
土間にまいたり虫よけとした。
今でもフランスの病院では、
セイヨウネズの実とともにこの木を焼くという。
この木は薬用植物として中世紀の修道院では盛んに栽培し、
その花をリウマチ、神経痛などの薬に、
花や葉の煎汁を風邪や熱病の薬とした。