ワタは、インド、熱帯アジア原産の多年草である。
基部で木質化する多年草で、高さ3mに達する。
葉は深く3~5裂ときに7裂し、
副萼は長さ3㎝あまりで卵形である。
花弁は黄~紫紅色で中心部は暗色である。
蒴果は長楕円形で3~4室に分かれ、長さ3㎝くらいである。
各室に6~17粒の種子を含む。
ワタ属は、世界各地に約32種が分布する草本または木本で、
葉には不規則な油点が入る。
葉は単葉で全縁で掌状に裂片をもつものが多く、
ときに深裂したりまったく裂片のないものもある。
花は葉腋に単生または数個つく。副萼は3個で葉状で宿存性で、
不規則に細裂しまれに全縁である。
萼は杯状で頂部は5片に分かれる。
花弁は白~黄色でまれに紫紅色になり、中心部は暗色となる。
子房は3~5室で各室に2個以上の胚珠があり、
花柱は分岐しない。柱頭は合着性かわずかに拡大する。
果実はややかたく、木質か紙質で胞背裂開性の蒴果である。
種子は通常密に綿毛でおおわれている。
繊維用として栽培される綿は、アジア綿と新世界綿に大別され、
日本で昔栽培された綿はアジア綿で、新世界綿は陸地綿、
ペルー綿、その他に分類される。
観賞用には、白色、黄色花で花色の鮮明なものや
赤花綿と称する紅紫色花の諸系統がまれに栽培される。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]