ソウリウメは、モモにウメを接ぎ木して作り出された実梅の品種である。
ソウリウメは、知多市の佐布里(そうり)という地区で、明治時代の初期に、
地元の住民が苦心の末、桃の木に梅を接いで作り出した。温暖な気候と、
この地方の土質にあった「佐布里梅」は、たちまち佐布里を梅の産地にして、
戦前には7000本を越える梅の木があって、開花の季節には大勢の花見客が
訪れる観光地になっていた。
戦後、伊勢湾台風などで大きな被害を受け、また愛知用水の佐布里ダム建設の為に
梅林の多くは湖底に沈んでしまい、衰退していた。
近年、知多市の観光梅園の観点から積極的に復興を進めるなどの動きがあり、
5000本以上の植樹がなされて、徐々に復興している。
現在は木がまだ若いために収穫量は限られているが、
成木になれば多くの佐布里梅の収穫が期待されてる。
花は薄紅色の一重で、中輪である。
花弁は5枚で、雄しべは多数で、葯は黄色である。花弁は、先端がややとがる。
果実は大きさが20~30gで、強い酸味と果肉の厚さが特徴である。
一枚目(右上)の、中心の花に注目してみて下さい。
雄しべの先端が少し変わった形をしているのにお気付きですか。?
そうです。雄しべの先端が花弁化しているものがあり、このように
雄しべが花弁化すると一重の花が八重咲きになる。
この花弁化がよくわかるウメに
ベニチドリ がある。
ウメには八重咲きは比較的少ないが、同科同属のサクラには雄しべが花弁化し、
八重咲きになった品種が多数ある。
このウメの品種一覧で私が写した品種のすべてが、 この佐布里にある佐布里池梅林で写したものである。 なお、 Junko さんが、 投稿してくれたものはすべて大阪城梅林で写したものである。