NIO の散歩道 365 植物図鑑風写真集
和名ナラノヤエザクラ(奈良の八重桜)
園芸(流通)名奈良の八重桜
別名
科バ ラ (サクラ亜科)
属(和名属)プルヌス(サクラ [サクラ亜属])
学名Prunus verecunda cv. Antiqua
ラテン語読みプルヌス・ウェレクンダ(園芸品種)アンチクア
英名( Null )
原産・分布地園芸品種(カスミザクラ系)
園芸上分類落葉高木

 1枚目(右上)は、2021年の奈良の八重桜 Bestshot である。
 この公園に植栽されている桜の中で最も変わっていると言う か不思議な桜であるその花姿の一つである、この一枚を2021 年の Bestshot とした。

 2枚目(左)は、2021年4月30日の奈良の八重桜である。
 1枚目(右上)や3枚目(左下)と同じ桜とはとても思えない  花姿である。
 花の右側と左側で色がこんなにも異なる桜は他には無い。
 奈良の八重桜は一般的には八重咲きとなっており、この花は まさしく八重咲きであるが、3枚目はどう見ても半八重咲きであ り、この違いは私の知識ではとても理解できなく、見るたびに 異なった花姿を見せるこの桜から目が離せない。

 3枚目(左)は、2019年4月22日に開花したばかりの 奈良の八重桜であり、淡紅色の八重咲きで、花径が 3.0~3.5㎝ (実測)の中輪で、花弁は約10~12枚である。 (私の図鑑では花弁は30~35枚となっているが、 この違いは不明である)
 この公園に植栽された桜は、ほとんどが植栽2年目には 開花が見られたが、この奈良の八重桜は、 植栽3年目でやっと開花し、このような綺麗な花が見れた。

 4枚目(右上)は、2021年4月15日の奈良の八重桜の花の  直径を計測したものである。
 花径は 3.15 ~ 3.27 ㎝で中輪である。

 ナラノヤエザクラは、カスミザクラ系の園芸品種である。
 樹高は、10~15mになる落葉高木である。
 樹幹色は暗灰色である。若芽は紅茶色である。
 葉は、倒卵形で、重鋸歯縁である。
 開花時期は、4月下~5月上旬と遅咲きである。
 花色は淡紅色で満開時に白色になる。
 花径は2.5~3.5㎝で、花は八重で、花弁は30~35枚である。
 雄しべは37~42個で、雌しべは1~3個で雄しべより長い。
 萼筒は短筒形である。結実する。
[ 引用 : 園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )]

 5枚目(左)は、2019年4月18日の奈良の八重桜の「つぼみ」 で、奈良の八重桜の開花時期は4月下旬~5月上旬であり、 7枚目(左下6)の紅色に色づいた冬芽からつぼみが2~3個 出てきた状態である。もうすでにつぼみの先端が割れ、雌しべ が見えており開花が近いことが考えられる。
 普通、この状態から数日程度で開花する。
 (予想通り、4日後に開花した)

 6枚目(左)は、2019年4月11日の奈良の八重桜の若葉で、 奈良の八重桜はつぼみが出るのに先立って、このように茶色 の若葉が出始める。

 サクラ属については、  サクラ   を参照のこと。
 撮影地の新舞子マリンパークの品種別桜並木配置図は、
新舞子マリンパーク桜並木配置図 を見て下さい。なお、
同配置図が文字ズレで見にくい場合は PDF版で見て下さい。PDF版は5ページに分割されているため、 スクロールして見る必要があり、ちょっと手間ですがご容赦下さい。
 また、新舞子マリンパーク桜開花時期実績については、
 2018年実績(Darkblue ver.)2018年実績(従来版)
 2019年実績(Darkblue ver.)2019年実績(従来版)
 2021年実績(Darkblue ver.) を見て下さい。

 7枚目(左)は、2021年4月1日現在の奈良の八重桜の 冬芽 で、 奈良の八重桜の開花時期は4月下~5月上旬であり、 8枚目(左下)に比べ、冬芽の先端が割れ、 明らかに紅色の 冬芽花芽葉芽 ) が見え始めた状態である。

 8枚目(左)は、2021年3月15日の奈良の八重桜の冬芽で、 奈良の八重桜の開花時期は4月下~5月上旬であるが、芽の 先端が割れ冬芽が膨らみ始めた状態である。

 9枚目(左)は、2019年3月12日の奈良の八重桜の冬芽で、 奈良の八重桜の開花時期は4月下~5月上旬であり、まだ全く 堅い状態である。

 10枚目(左)は、奈良の八重桜の萼と萼筒および花柄である。
 萼は5枚で、全縁で長く、やや反り返り、色は淡緑~暗紅色である。
 萼筒は短筒形で、色は淡緑~暗紅色である。
 花柄は 2.0cm(実測)と短くて短毛が有り、色は緑色である。
 花は八重の中輪であるが、花柄が短くしっかりしているため、 花は下垂しにくく上向きに咲く花もある。

 11枚目(左)は、2021年4月26日の花弁が散って萼と雌・雄し べだけになった奈良の八重桜である。
 雌しべは確認できないが、雄しべと萼はしっかりしており、  また別の顔を見せている。
 なお、中心分に白い塊が有るが、これが何かは不明である。

 12枚目(左)は、2021年4月30日の花弁が散って萼と雌・雄し べだけになった奈良の八重桜で、11枚目(左上)と同じ状態で あるが、中心に有る淡緑色で卵形のものが何なかが非常に  興味が引かれるところである。
 また、雌しべが3個確認でき、その根元には黄色い実が確認 でき、それぞれの雌しべの周りには雄しべが取り巻いており、 3個の花が有るように見える。
 とにかくこんなに変わったものを見たのは初めてであり、つく づく奈良の八重桜の不思議さをかいま見た感じである。

 13枚目(左)は、2021年4月30日の奈良の八重桜の実である。
 実はまだ結実したばかりであり、双子で非常に小さく、緑色を している。
 なお、奈良の八重桜の実は、双子のものが約半数有り、双子 の実がつく他の桜に比べ、その比率が非常に大きい特徴がある。
 なお、このように双子や親子の実は、 「 コトヒラ(親子)」 、  「 ジュウガツザクラ(親子)」 、 「 スルガダイニオイ(双子)」 、  「 ミヤビ(双子)」、 などを掲載している。

 14枚目(左)は、2021年5月10日の奈良の八重桜の実である。
 実は非常に小さいが、もうすでに赤く熟した状態である。
 このように小さい状態で熟した様子を呈する実は、この後まも なく落果してしまう。
 同じような実は、 「 ウコン 」、 「 ギョイコウ 」、 「 マメ 」、 などを掲載している。

 15枚目(左)は、2021年5月10日の奈良の八重桜の実の大き さを計測したものである。
 まは、長さが 4.3 ㎜で、径が 3.4 ㎜と非常に小さく、傷も付い ており、おそらくこの後落果してしまうと思われる。

 16枚目(左)は、2018年6月2日の奈良の八重桜の葉である。
 葉は、倒卵形で、葉身 11㎝、幅 6㎝(実測)で、葉先は長く、 とがっているのが特徴である。
 葉は重鋸歯縁で鋸歯の先は針状にとがる。

 17枚目(左)は、2018年6月2日の奈良の八重桜の若葉で、 黄緑茶色である。
 葉柄は帯紅紫色で上方に一対の紅色の蜜腺がある。
 葉柄の基部には、切れ込みの深い離生托葉がある。

  1枚目画像撮影日:2021.04.15
  2枚目画像撮影日:2021.04.30
  3枚目画像撮影日:2019.04.22
  4枚目画像撮影日:2021.04.15
  5枚目画像撮影日:2019.04.18
  6枚目画像撮影日:2019.04.11
  7枚目画像撮影日:2021.04.01
  8枚目画像撮影日:2021.03.15
  9枚目画像撮影日:2019.03.12
  10枚目画像撮影日:2019.04.22
  11枚目画像撮影日:2021.04.26
12・13枚目画像撮影日:2021.04.30
14・15枚目画像撮影日:2021.04.10
16~18枚目画像撮影日:2018.06.02
(1~18枚目撮影場所は、新舞子マリンパーク[愛知県知多市])

 18枚目(左)は、2018年6月2日の奈良の八重桜の樹形である。
 植栽2年目の奈良の八重桜は、樹高 2.2m(実測)である。

 百人一首で伊勢大輔(いせのたいふ)が詠んだ 「いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな」
 (現代語訳 : いにしえの昔の、奈良の都の八重桜が、今日は九重の宮中で、 ひときわ美しく咲き誇っております。)は、この品種を
 詠んだものともいわれている。


2017.05.05 First making day [9w/97sr/607000]
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