ユ リ ➡ ヒガンバナに変更(APGⅢ)
アガパンツス(ムラサキクンシラン)
Agapanthus spp.
アガパンツス(属の総称)
African lily
南アフリカに分布
宿根草(球根)
アガパンツス属の植物は、南アフリカを中心に20種が分布する。
分類学的には不明な点が多い。
常緑性の種類と、休眠状態に入り地上部が一時期枯れる種類がある。
いずれも塊茎というにはやややわらかい根茎を持ち、根は多肉状で太い。
葉はすべて根出葉で、花は散形花序で、花筒が長く、花冠の先が開く種類と、
花筒が長く、花冠の先が閉じて垂れる種類とがある。
花色は白から濃青色まであり、雄しべは6個、種子は黒色で扁平で、
3稜のある蒴果の中にある。
アガパンサスには、(Agapanthus を A. で表す。)
A. africanus (A.・アフリカヌス)、
やや小形、ドワーフ・アガパンサスともいう。
A. campanulatus (A.・カンパヌラツム)、
7~8月頃開花、冬期休眠型、花被が開かない。
A. inapertus (A.・イナペルツス)、
蕾は上向き、開花すると下垂する。花色は淡青色。
A. praecox (A.・プラエコクス)
常緑性で形態大きさ生態などに変異が見られる。
などの種類があるが、普通に見られるものは
A. praecox (A.・プラエコクス)
およびその亜種である
A. praecox ssp. orientalis
(A.・プラエコクス・オリエンタリス)とオリエンタリスから生み出された園芸品種と考えられる。
[ 引用 : 園芸植物大事典 (塚本洋太郎総監修:小学館発行)、
花の名前(植村猶行監修:NHK出版)]
私の知識では、品種の特定は難しいため、本図鑑では品種の特定はしないこととした。
同じ旧ユリ(現在:キジカクシ)科に
ヒメアガパンサス という花があるが、
一般に「ヒメ」とつく呼び名の場合、元の植物より小さいという意味に使われるが、
ヒメアガパンサスは本種とは属が異なっており、本種がおもに横向きに咲くのに対し、
ヒメアガパンサスは上向きに咲く。
三枚目(左上)は、出来たばかりの実である。
【追記】
ムラサキクンシラン属は、APG Ⅱ
でユリ科から分離し、単独のアガパンサス科となったが、
APG Ⅲ
でキジカクシ(クサスギカズラ)目のヒガンバナ科に統合され、アガパンサス亜科となった。