バ ラ ( バ ラ 亜科)
フラガリア(オランダイチゴ)
Fragaria × ananassa
フラガリア × アナナッサ(交雑)
Cultivated strawberry , Garden strawberry
交雑種
常緑多年草
一般に「苺」といえば本種をさす。1700年代にオランダ、イギリス、フランスで、
F. chiloensis (F.チロエンシス)と
F. virginiana (F.ヴァージニアナ)
の交配が盛んに行われ、現代の栽培品種が育成される基をなした。
( Fragaria
を F. で表す)
日本に栽培種が導入されたのは1800年代で、オランダ人が長崎へ持ち込み、
和名の「オランダイチゴ」の名のとおりである。
英名の、 strawberry の
straw はワラではなく、
strew
からきているというのが有力である。すなわち、
strew
は straw の古語で、
scatter (あちこちに散らすの意)、
overspead
(一面におおうの意)と同意義であり、
イチゴのランナーが四方に伸びて群落をつくる性質をよく表している。
オランダイチゴ属は、北半球および南アメリカの広範囲にわたり
十数種が原産する多年草で、日本にも3種が自生し、1種が帰化している。
葉は有柄の複葉で根出あるいは互生し、
鋸歯のある3小葉からなる。
根茎は肥大し、葉腋からランナー(ほふく枝)
が伸びて子株をつけるものが多い。全体に有毛である。
花は白色で、花弁と萼はそれぞれ5~8個で、
同数の副萼片が隣り合う萼片の間に見られる。
数花をつけた花序が根出するが、
花序とランナーは相同器官でもある。
花床は半球形で多数の子房、
花柱がつき周縁に多数の雄しべが並ぶ。葯は黄色い。
花床は受粉後に肥大し、
多肉質となり表面に小粒の痩果(種子)がつく。
本種のような果実を偽果という。
果実肥大は種子ホルモンによるので、
不受精種子が多いと果実は奇形になる。
いずれの種も果実は食べられる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
本属の仲間は、
ワイルドストロベリー を掲載している。