ナギは、本州西部、四国、九州、南西諸島、
台湾に分布する常緑高木である。
幹は直立し、高さ25mで胸高直径1.5mに達するものがある。
分枝が多く、樹皮が紫褐色で滑らかであるが、
外皮が大きくはげ、そのあとは紅褐色となる。
葉は対生またはやや対生し、広披針形、卵形、
長楕円型で角質で上面が濃緑色、下面がやや淡緑色で、
多数の並行脈がある。
雌雄異株で、開花時期は5~6月である。
雌・雄花とも前年枝に腋生し、雄花(一枚目(右上))
は円柱形で黄白色で3~4個が束生する。
雌花は短柄上に単生し数片の小苞片がある。
種子は球形の果実状で径10~15㎜で、
外種皮は藍青色で粉質を帯び、果肉がある。
内種皮は骨質で白色で10月に熟する。
材は床柱、家具、彫刻材などに用いられ、
樹皮は多量のタンニンを含む。
庭園樹とし、陰樹で耐暑性はあるが耐寒性が弱い。
寺院の境内には大木が植えられている。多くの園芸品種がある。
本属の仲間は、
イヌマキ を掲載している。
マキ属は、60~70種があり、日本、東アジアの暖帯、
マレーシア、インドシナ、東南アジア、ニューギニア、
ニュージーランド、
南アフリカ、西インド諸島、
アフリカなど熱帯、亜熱帯、暖帯に分布する。日本には2種が自生する。
常緑の高木または低木である。葉は扁平で線形~卵形(まれに鱗片状)で、
らせん状に互生または対生する。
雌雄異株または同株である。雄花は葉腋に束生するか単生する。
雌花も腋生で有柄であり柄の上部が成熟すると肉質となる。
この柄の先に少数の苞鱗片があり、その腋から種子鱗片がでて
1個の倒生胚珠がある。種子鱗片は成熟すると種子を包む。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]