ハコネウツギは、北海道から九州北部の太平洋岸沿いに分布し、
とくに関東地方南部から静岡県にかけて多く見られるが、
古くから各地で栽植されているため、本来の分布地を特定することは困難で、
とりわけ北海道と九州のものは本来の自生品かどうか疑わしいとする見解もある。
さらに、和名は箱根空木の意味であるが、箱根地方にはなく誤認である。
ハコネウツギは、落葉低木で、高さ3~5mになる。
花は新梢の葉腋に2~8個つく。花冠は長さ3~4㎝の鐘状漏斗形で、
外面は無毛で、花筒部は中央から急に太くなる。
花色は初め白色であるが、後に紅色に変化する。
開花期間中、樹姿全体が紅白の花で華やかに彩られる。
そのため、庭木としてよく栽植されているのが見られる。
開花時期は、5~6月である。
タニウツギ属は、北アメリア、中国、
朝鮮半島および日本に分布する落葉低木で、12種あまりがある。
とくに日本には多く10種ほどが自生する。
そのために日本人とのかかわりは古く、方言名が多い。
いくつかは救荒植物として利用された。
現在は観賞用として庭に植栽される。
葉は単葉で対生し、鋸歯縁で短い柄をもつがまれに無柄で托葉はない。
花は1~数個腋生または頂生し、集散花序をなす。
花冠は鐘状漏斗形で先は5裂する。
花筒は萼片より長く、上方が太くなる。
花色は紅色で濃淡があるが、白色および帯黄色花もある。