パセリは、オランダゼリ属の1種で、葉を香辛野菜として利用する。
パセリは、地中海沿岸原産で、全草に香りがある二年草又は短命な多年草で、
高さ30~60㎝になる。
茎には溝があり、多くの枝を分枝し、全株無毛である。
葉の長さは2.5~5㎝で、濃緑色で表面にはややつやがあり、
有柄の3出複葉で小葉は
ニンジン の葉に似て欠刻がある。
花茎は高さ50㎝くらいになり、花は小さく、径2㎜ほどしかない。
花色は黄緑色である。
蒴果は卵形で、長さ約3㎜と小さく、香気がある。
パセリは、紀元前4~3世紀にはギリシアで記載があり、
当時すでに縮葉系と平葉系とが分化していた。
ギリシア、ローマ時代には薬用や香辛用に使われ、
ギリシアではオリンピック競技の優勝者に
パセリの葉で作った冠を与えたという。古代エジプトではすでに食用とされていた。
栽培はイタリアで始められ、9世紀にはフランスに伝わって栽培された記録がある。
13世紀には北ヨーロッパ、16世紀にはドイツ、イギリスで一般化し、
17世紀にはヨーロッパ全域で欠かせない香辛野菜になった。
アメリカには19世紀の初めごろに伝わり急速に普及した。
日本にはオランダ人によりもたらされたといわれ、「大和本草」
(1708年)や「本草図譜」(1830年)にはオランダゼリとしての記載がある。
18世紀の初期に長崎で栽培されて以来、料理に色と香りを添えるものとして使われ、
近年は食べられる香辛野菜となった。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]