シャカトウ(釈迦頭)
バンレイシ
アンノナ(バンレイシ)
Annona squamosa
アンノナ・スクアモサ
Custard apple ,
Sugar apple , Sweet sop
西インド諸島原産
常緑低木
バンレイシは、バンレイシ属の1種で、果実を食用とする。
原産地は西インド諸島とされている。世界各地へはスペイン人や
ポルトガル人によって伝播されたといわれているが、
インドやジャワ島ではそれ以前にすでに
栽培されていたと思われる史跡や記録が残されている。
17世紀には「バンレイシの果肉は白く、やわらかく、繊細で、
その甘みとバラの香水のようなすばらしい香りが一体となっている」
と記述されている。
現在は熱帯各地に広く分布し、栽培されている。
半落葉性の低木もしくは小高木で、
樹高は2~7mで地ぎわから多く分枝する。
葉は楕円状披針形で臭気を有する。
花は頂生もしくは腋生で1ヶ所に1~3個ずつ着生する。
花被は長さ2~3㎝で緑色で肉質状である。
雌しべは円錐状に集まり、その周囲に雄しべが並んでいる。
集合果は卵形、心臓形で径7~10㎝で、
表面は貝殻を伏せたような肉質状の小突起様のものでおおわれ、
亀甲状をなし、釈迦像の頭を想像させる。別名のシャカトウ
(釈迦頭)はここからついたと思われる。
これらの亀甲状片の境目は白い。集合果は熟成すると黄緑色となる。
果実はカスタード状で白く、芳香があり甘い。
ショ糖が16~18%含まれ、ビタミンCも豊富である。
果肉中には多数の黒い種子が含まれている。
おもに生食されるが、発酵飲料にも利用される。
本属の仲間は、
ギュウシンリ 、
チェリモヤ を掲載している。
バンレイシ属は、高木または低木で約100種が熱帯アメリカに分布する。
バンレイシをはじめチェリモヤ、トゲバンレイシなど、
数種が熱帯果樹として栽培される。
葉は単葉で互生し、全縁である。
花は両性で3数性を有し単生するか数個集まる。
花被片は6個で2列に配し多くの場合、肥厚して多肉質となる。
雄しべと雌しべは多数である。
花床と多数の雌しべが癒合した集合果を形成する。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]