ニチリンソウ(日輪草)、ヒグルマ(日車)
キ ク
ヘリアンツス(ヒマワリ)
Helianthus annuus
ヘリアンツス・アンヌース
Mirasol , Common sunflower
北アメリカ原産
一年草
ヒマワリは、北アメリカ原産の一年草である。
草丈は90~200㎝になり、
株全体に短くてかたい毛茸(もうじ)がある。
葉は互生し、大きな長楕円形で長さ20~30㎝で先端がとがり、
長い葉柄があり葉縁が鋸歯状になる。
頭花は頂生し、ふつうは舌状花と筒状花からなるが、
園芸品種によっては筒状花のみからなる。
花色は黄色または淡橙黄色で、赤褐色のものもある。
頭花は径7.5~30㎝と大きく、
園芸品種によっては40㎝に達するものもある。
花壇や切り花に利用するほかに、
種子からひまわり油をつくり食用や製菓用にする。
ヨーロッパには1596年に紹介され、
日本には1666年(寛文6)に渡来した。
非常に多くの園芸品種がある。
ヒマワリ属は、おもに北アメリカに分布し、耐寒性の多年草、
または耐寒性が無く耐暑性の一年草である。
多年草は地下に塊根があり、株分けと挿木によって増殖する。
株全体は強靭で、短い毛茸がある。
葉は互生または下部の葉がけが対生し、全縁または鋸歯状縁である。
頭花(頭状花序)は茎や枝の頂部に、単生ないし散房状につく。
舌状花は雌性で1列あり、不稔で黄色である。
筒状花は両性で、稔性があり黄色、褐色または紫色を帯びる。
成長がすこぶる旺盛で栽培しやすく、栽培の管理もほとんどなく、
天候や土壌などの自然条件の障害による影響もなく、一般栽培に向く
【ヒマワリの文化史】
ヒマワリは中央アメリカからペルーにかけて分布しているが、
インカはこの花を太陽神のシンボルとみなし、
インカの寺の石に花形を彫りつけていた。
コロンブスのアメリカ発見後、はやくアメリカから
ヨーロッパに移された観賞植物としては、カンナ、ヒマワリ、
オシロイバナ、タバコ、マリゴールドの5種類があり、
17世紀初頭にヨーロッパ諸国から出た園芸書は、
いずれもこれらの植物を加えている。
さらに後年、これらはそろって日本に渡来した。
ヨーロッパではこれらの中の、
カンナ、ヒマワリ、マリゴールドの育成を続け、
今日では重要な園芸植物になっている。
17、18世紀に描かれた、アムステルダムとフランドルを
中心にした花の絵の中にはヒマワリが数多く描かれている。
しかし、いずれも多くの花を集めた花かごや花瓶の中のひとつであって、
ヒマワリを単独に描いたものはなく、
ゴッホの絵になって初めてヒマワリだけをあつかっている。
以来、多くの画家によってヒマワリが描かれてきた。
また、今日でも民家の庭や家の入口にヒマワリを植えている例が多い。
日本では、江戸の中期以降、伊藤若沖、
酒井抱一などの画家がヒマワリだけの絵を描いている。
ヒマワリの花色の変化が現れたのは20世紀になってからで、
雑種も現代になってつくられ、花壇に用いられることになった。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
本属の仲間は、 ヒメヒマワリ 、 ヤナギバヒマワリ・ゴールデン・ピラミット を掲載している。