フジバカマは、日本、朝鮮半島、中国に分布し、
河畔の草地に野生する多年草である。
秋の七草のひとつに選ばれるように、
昔は各地の原野に野生があったものと思われるが、
その自生がなくなってほとんど日本では絶滅に瀕し、
植物園などに栽培してあるものしか今日では見られなくなった。
茎は高さ1~1.5mで茎は対生して多くは3裂し、
乾くと芳香がある。
横走する地下茎があり、塊状の地下茎をもち山に生える
同属のヒヨドリバナと対照的である。
日本のものは中国から渡来した栽培物からの逸出だとする説があるが
サワヒヨドリとの間に雑種があることや、
古い採集地は自然草地と考えれられることなどから賛成しがたい。
株分けによって増殖する。学名もしばしばヒヨドリバナと混同されたが、
ツンベリー氏の記載した
Eupatorium japonicum のタイプはフジバカマである。
ヒヨドリバナ属は、ユーラシア大陸と南北アメリカに分布し、
1000種以上が報告されている。その中の大部分は南アメリカに産し、
アジアには二十数種がある。
多年草または亜低木で葉は対生するかまれに離生し、
鋸歯があるかまたは種々に分裂する。
頭花(頭状花序)は小形で多数が散房状に配列し、
数個~十数個の筒状花だけからなる。
総苞は筒状で、総苞片はかわら重ね状に並び、
外片はだんだん小形になる。
花柱の先は2裂して長く花外につき出し、鈍頭または扁平で、
分枝の内側に柱頭部がある
果実は痩果で先端に冠毛があり、
ほぼ円柱状五角形で中に1個の種子がある。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
本属の仲間は、
エウパトリウム・ルゴスム を掲載している。