ヘリコニア・アウランティアカは、メキシコ南部~
北西コスタリカのカリブ海側の森林内に自生する常緑多年草である。
高さ1~1.5mになる小形種で、葉柄がほとんどない。
葉は無毛で、長さ15~35㎝で幅7㎝である。
花序は直立して高さ10~12㎝になり、偽茎頂部から葉上に抽出する。
花軸は屈曲し無毛で、開葯時は橙色だが成熟するにつれて緑色となる。
苞は4~6個あり、初期は2列生だが後に旋回し、
無毛で長さ6㎝で、開葯時に橙色でしだいに緑色に変化する。
小苞は白色で無毛で目立たない。
花は各苞内に4~7個ある。花被片は長さ5~6㎝で、淡黄色で無毛である。
花は真っ直ぐかわずかに曲がる。果実は丸く、成熟すると暗青色なる。
ヘリコニア属は、熱帯アメリカと南太平洋諸島に分布する多年草で、
30~40種あるといわれている。
バナナと同様に葉鞘が包み合って偽茎をつくる。
葉と苞は2列に並び、美しいものが多い。
葉身と葉鞘との間にバショウのように葉柄のあるものと
カンナのように無柄かごく短いものの2型がある。
花序は直立または下垂し、多数の美しい苞をつける。
苞内には小苞をもつ小さな両性花が数個ずつあり、
多くの種でハチドリにより受粉されることが知られている。
苞は2つ折れの舟形で、先端のとがるものや巻くもの、
縁の巻くものなどがある。
花被は短筒で状である。雄しべは5個ある。仮雄ずいが1個ある。
子房は下位で3室あり、各室に1胚珠がある。
蒴果をつくり、しばしば裂開する。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
本属の花は、同科の
ゴクラクチョウカ によく似ているが、
ゴクラクチョウカはストレリチア属であり、本種とは属が異なっている。