サボテンギク(仙人掌菊)
ハマミズナ(ツルナ)
ランプランツス(マツバギク)
Lampranthus spectabilis
ランプランツス・スペクタビリス
Fig marigold , Trailing ice plant
南アフリカのケープ地方に分布
常緑多年草
マツバギクは、南アフリカのケープ地方に分布する常緑多年草である。
本種も分類が非常に難解な植物である。
まず、キクの名がついているがキク科の植物ではない。
私の図鑑では、和名属がマツバギク属はメセンブリアンテムム属であるが、
一般にマツバギクとよぼれている植物はランプランツス属の植物であり、
その整合性がなく現段階では判別できない状況である。
ランプランツス属の原産地はナミビア南西部~ケープ州ナマカランド
~ケープ州南西部~ナタール州で、78種が分布する。
低度多肉質の小低木である。幹は直立または伏す。
葉は3稜形、円筒形、半月形などである。
花は大輪で、白、黄、桃、赤、紫色である。
花弁状仮雄ずいは質が薄く、光沢がある。
春から夏にかけて数輪着花する。市販品には色のきれいな交配種がある。
マツバギクによく似た植物に同じツルナ科ドロテアンツス属の
リビングストンデージー
があるが、両花の境目を区別するのに困難を要する。
ハマミズナ(ツルナ)科は、汎熱帯的に分布する少数の雑草と、南アフリカに集中的に分布し、
そこで極度の乾燥に適応した特異な形態と生態をもつ多数の多肉性植物からなるが、
この後者の植物群は、植物学上あるいは園芸上の観点からメセンブリアンテマ類
( Mesembryanthemum complex )とよばれ、
ときに独立した科として区別されることもある。
このひとまとまりの植物群は、現在百余属千数百種(~二千数百種)に分類されているが、
かつてはリンネが定義した見解によれば、これらはすべて
Mesembryanthemum
として一括してあつかわれるべきものである。
もちろん現在ではリンネの見解は支持されておらず、属としての
Mesembryanthemum
は狭義の意味で使用されているだけであるが、
一方で上記の多肉植物群を意味する総称として広く用いられている。
メセンブリアンテマ類に共通する特徴は、
まず花と果実の構造にあるといってよい。すなわち、花は、
① 縁が萼状列片(多くは5裂片)となる多肉質の花床。
② 多数の雄しべ。
③ 花弁状に発達して着色した仮雄ずい。
④ 花床に埋もれた通常不完全3~5室の子房。
⑤ 子房室数と同数の花柱をもつ。
というのが基本的な構造である。
ときに雄しべの基部に花被状の器官をもつものもあるが、
一般に本来の萼は花弁を欠いているということは特筆される。
花色は白、淡黄、濃黄、橙、淡紅から紫紅色で、
色素がベタレインであることが判明している。
開花習性では、多くの種が昼開性(昼過ぎ~夕方4時ごろ)であるが、
夜開性の種も少なからず(約200種)あり、後者は香りを放つ。
また、両方の性質を合わせ持つものもある。
さらに曇天下では開花しないことや密腺の存在を考慮すると、
こうした開花性の多様化と種分化の関連が推測される。