ハマミズナ(ツルナ)
ドロテアンツス(無し)
Dorotheanthus bellidiformis
ドロテアンツス・ベリディフォルミス
Livingstone daisy
南アフリカのケープ地方原産
半耐寒性一年草
リビングストンデージーは、南アフリカの
ケープ地方原産の半耐寒性一年草である。
葉は肉厚へら状で、長さ5㎝である。
茎と葉裏に暗赤色の水滴状の乳頭突起がある。
花は径4㎝で、多数を午後に咲かせる。
花色は白、黄橙、淡紅色など多彩である。
乾燥に弱い。
なお、名前にデージーとついているが、キク科の植物ではない。
ドロテアンツス属は、原産地はケープ州南西部と
リトル・ナマカランドで、10種が分布する。
自生地は雨の多い地帯、低度多肉質、
細長いへら状の葉をつけた矮性の一年草である。
透明な乳頭状突起をつけ、日に当たるときらきらと輝く。
花は春から初夏まで咲き続ける。
リビングストンデージーによく似た植物に同じツルナ科ランプランツス属の
マツバギク
があるが、両花の境目を区別するのに困難を要する。
ハマミズナ(ツルナ)科は、汎熱帯的に分布する少数の雑草と、
南アフリカに集中的に分布し、そこで極度の乾燥に適応した
特異な形態と生態をもつ多数の多肉性植物からなるが、
この後者の植物群は、植物学上あるいは園芸上の観点からメセンブリアンテマ類
( Mesembryanthemum complex )とよばれ、
ときに独立した科として区別されることもある。
このひとまとまりの植物群は、現在百余属千数百種(~二千数百種)
に分類されているが、かつてはリンネが定義した見解によれば、
これらはすべて Mesembryanthemum
として一括してあつかわれるべきものである。
もちろん現在ではリンネの見解は支持されておらず、属としての
Mesembryanthemum
は狭義の意味で使用されているだけであるが、
一方で上記の多肉植物群を意味する総称として広く用いられている。
メセンブリアンテマ類に共通する特徴は、
まず花と果実の構造にあるといってよい。すなわち、花は、
① 縁が萼状列片(多くは5裂片)となる多肉質の花床。
② 多数の雄しべ。
③ 花弁状に発達して着色した仮雄ずい。
④ 花床に埋もれた通常不完全3~5室の子房。
⑤ 子房室数と同数の花柱をもつ。
というのが基本的な構造である。
ときに雄しべの基部に花被状の器官をもつものもあるが、
一般に本来の萼は花弁を欠いているということは特筆される。
花色は白、淡黄、濃黄、橙、淡紅から紫紅色で、
色素がベタレインであることが判明している。
開花習性では、多くの種が昼開性(昼過ぎ~夕方4時ごろ)であるが、
夜開性の種も少なからず(約200種)あり、後者は香りを放つ。
また、両方の性質を合わせ持つものもある。
さらに曇天下では開花しないことや密腺の存在を考慮すると、
こうした開花性の多様化と種分化の関連が推測される。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]