モミジガサは、コウモリソウ属の1種で、
若い茎葉や花蕾(からい)を山菜として利用する。
モミジガサは、北海道~九州の山地の林下に自生する多年草である。
茎は直立し、高さ50~90㎝で暗紫色を帯びることが多いが、
緑色のものもある。
葉は掌状に5~7中裂し、上面が無毛でつやがあり、
下面に毛があり、やや厚みがあるが軟質で暗緑色を呈する。
葉柄は茎の上部にいくほど短くなり、葉の裂け方も浅くなる。
8~9月ごろ、円錐状に多数の頭花がつく。
頭花は5個の白色の筒状花からなる。痩果は長さ5㎜くらいである。
東北地方では「シドケ」、「シドキ」などと称して、
特有の香味が好まれる山菜である。
雑木林や杉林の下草としてよく生えているところから、
木下藤吉郎(豊臣秀吉)と結びつけて「キノシタ」、
「トウキチロウ」、「タイコウナ」などと称している地方もある
(群馬県、長野県)。
根株を掘り取ってきて畑で栽培することも可能である。
コウモリソウ属は、多年草で、中国と日本に約70種が分布する。
葉は長い葉柄をもち互生する。
葉柄の基部はときに完全に茎を抱き短く鞘状となる。
葉身は掌状脈を有し、
幼時に反曲してすぼめた傘状となるものもある。
頭花(頭状花序)は、ふつう数個が総状、
散房状、円錐状などに集まってつく。
総苞は1列で、ふつう狭筒形となり、
基部に線形~広卵形の苞をつけるものがある。
小花は両性の筒状花のみからなり、すべて稔性がある。
花色は帯白~淡黄色である。花柱分枝は開花時に反り返り、
先端が有毛でやや棍棒状となる。
葯の下部は鈍形または矢じり形である。痩果は無毛で、
切頭で冠毛は白色(まれに帯赤色)
の剛毛からなる。子葉は2個ある。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
画像(右上)は、野の調べさんが、「モミジガサ」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 先日、山の中でモミジガサを見つけました。
モミジに似た大きい葉で、春に若芽は食べられるそうです。
どことなく
ヤブレガサ にも似ていますね。』