NIO の散歩道 365 植物図鑑風写真集
和名ラナンキュラス
和名ハナキンポウゲ(花金鳳花)
園芸(流通)名
別名
科キンポウゲ
属(和名属)ラヌンクルス(キンポウゲ)
学名Ranunculus asiaticus
ラテン語読みラヌンクルス・アシアティクス
英名Persian uttercup , Garden ranunculus
原産・分布地ヨーロッパ南東部~西アジア原産
園芸上分類多年草


 ラナンキュラスは、ヨーロッパ南東部~西アジア原産の多年草である。
 小さな塊根をつくる球根植物で、トルコ、シリア、イランなど中近東から ヨーロッパ東南部にかけていわゆる地中海性気候型の地に生息する。
 秋植え球根に属し、秋から春にかけて生育し、夏の高温期は休眠する。
 葉は2~3回3出複葉で、裂片は鋸歯をもつか、あるいは3深裂する。
 4~5月に1つの塊根から1~複数個の花茎を伸長させ、 各花茎に数輪の花をつける。
 花色は豊富で、赤、緋、桃、橙、黄および白色などがある。

 現在多く栽培されている園芸品種は、ヴィクトリア・ストレイン、 ドリスなどであるが、これらは従来の園芸品種であるトルコ系、 ペルシア系、フレンチ系、ピオニー系をもとにオランダ およびアメリカで改良された園芸品種がさらに 日本で改良されたものである。
 花弁の重ねが厚く、花径が10㎝前後の大輪で、花柄も太い。 近年は草丈の短い矮性の園芸品種の育成も進んでいる。

 キンポウゲ属は、約500種あり、全世界に分布するが、 熱帯の低地には例外的な種類しか生育していない。
 多年草または一・二年草である。多くは根出葉を叢生し、 ひげ根を生じる。
 根茎や塊茎または塊根などをもつものが少なくない。
 葉はふつう長い葉柄があり、基部は鞘状になる。 葉身はいろいろな形のものがある。
 鋸歯または欠刻のある数個の裂片に中、 深裂し心臓形の基部をもつものが多いが、倒卵形で上部で浅裂し、 円形ないし楔形の基部をもつものや、 さらに狭くなり披針形で先に鋸歯があるもの、 ついには線形で全縁のものにいたる系列が見られる。
 葉の分裂が強くなり、3出ないし羽状の複葉になるものも少なくない。
 ふつう春から夏にかけて地上に茎を伸ばして花をつける。
 茎は直立し分枝して茎葉をつけるものから、 分枝せず茎葉をつけず先端に1個の花をつけるもの、 また、ほふく性のものなどがある。
 花は放射相称で両性で異花被花(萼片と花弁の区別があるもの)である。
 花床は突出し、球形ないし楕円形でしばしば毛が生える。
 萼片は5または3個で緑色でかたく ふつう毛が生え保護花序となって蕾のとき花の内の部分を包む。
 花弁は5枚またはより多くふつう萼片より大きく、 薄くて光沢があり着色する。
 黄色がもっとも多いが、白色、赤色、青紫色のものもある。
 花弁の内側の下方にふつう1個の密腺がある。密腺の部分はへこんでいるもの、 袋状になっているもの、または小片でおおわれているものなどいろいろある。
 雄しべは多数である。雌しべも多数で多くは歪んだ卵形ないし 長卵形で先は細まり柱頭をつける。
 雌しべ内には斜上し、1枚の珠皮をもつ胚珠が1個ある。 果実は痩果で、集まって球形ないし楕円形の果球となる。
 全世界に分布しているが、北半球の暖帯以北にはとくに多く、 日本でもウマノアシガタなどは春の野に咲く花として親しまれ、 タガラシ、キツネノボタンなどは、もっともふつうな水田雑草であり、 ミヤマキンポウゲなどはもっともふつうの高山植物である。
 種類が多く、花が美しいわりにはいわゆるラナンキュラスの群を除いて あまり栽培されない。
 ラヌンクリンを含み、毒草とみなされているものは多いが、 薬用植物として有用なものはない。

[ 引用 : 園芸植物大事典 ( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
     花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]



 本属の仲間は、  バイカモ 、  タガラシ 、
 ラナンキュラス・ゴールド・コイン 、
 ラヌンクルス・フェカリア  などを掲載している。

【ラナンキュラス [ R. asiaticus ] の園芸品種の系統】
 ① ペルシア系( Persian strain
   現在の園芸品種の基本といわれる系統である。 花は中輪で、実生のほぼ4分の3が八重咲きになり、 花色も豊富であるが、性質がやや弱く、開花時期が遅い。

 ② トルコ系( Turban strain
   ターパン系として知られる。トルコ宮廷で改良され、 16世紀にヨーロッパに入った。葉は大きく、欠刻が少ない。
   八重咲きになる率が高く、花弁は内面に曲がり、 半球状になる。ペルシアより早咲きである。

 ③ フレンチ系( French strain
   19世紀にフランスで改良され、 後にオランダでさらに改良された系統である。 高性で花は中輪または小輪で半八重咲きのものが多い。

 ➃ ピオニー系( Peony strain
   ラディオニエリー系( Radionieri strain )ともよばれる。
   フレンチ系から改良されたもので花がとくに大輪のものである。 完全に固定されていないので、実生すると一重から八重まで分離する。

  1枚目画像撮影日:2005.03.12
2・3枚目画像撮影日:2004.05.02
  4枚目画像撮影日:2005.03.12
  5枚目画像撮影日:2007.05.02
  6枚目画像撮影日:2004.04.17

2015.11.04 First making day [9r/91ra/310900]
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