エンゼル・トランペット
ナ ス
ダツラ(チョウセンアサガオ)
Datura suaveolens
ダツラ・スアウェオレンス
Angel's-trumpet
ブラジル中部原産
常緑低木
本種はブラジル中部原産で高さ3~4.5mにもなる常緑低木である。
花は淡黄色から開くと白色になり、斜めに垂れて咲き、
長さ24~35㎝にもなる大きな花である。
二枚目(左)が、キダチチョウセンアサガオ
(学名:Datura suaveolens
(ダツラ・スアウェオレンス))と思われるが、
花が開花しても黄色のままであるところが今一歩確信が持てない。
三枚目(左)は、花色が白色であり、
キダチチョウセンアサガオ(学名:
Datura arborea (ダツラ・アルボレア))
と思われる。
和名がキダチチョウセンアサガオと呼ばれているこの植物は、
学名がDatura suaveolens
(ダツラ・スアウェオレンス)
と Datura arborea
(ダツラ・アルボレア) の2つある変わった植物である。
なお、一枚目(右上)は、花色が橙赤色であり、
Datura versicolor
(ダツラ・ウェルシコロル)と思われる。
ウェルシコロルはエクアドル原産である。
四枚目(左)は、花色が淡桃色であり、
交配種のモモイロキダチチョウセンアサガオ(新称:学名、
原産地ともに不明)で、アメリカでは「フロリダ・ピーチ」
[ Florida Peach ]
の園芸名でよばれている品種と思われる。
モモイロキダチチョウセンアサガオは、
二枚目のキダチチョウセンアサガオと一枚目の
ダツラ・ウェルシコロルの交配種ではないかと推定されている。
以上のようにキダチチョウセンアサガオといっても、
花色によって色々な品種があり、特定するのが難しい植物である。
また、ここではキダチチョウセンアサガオをチョウセンアサガオ属としたが、
キダチチョウセンアサガオ属として独立させている分類もあり、
その場合の学名は Brugmansia
(ブルグマンシア) である。
流通名のエンゼル・トランペット(エンジェルズ・トランペット
またはエンジェルス・トランペットともいう)
は花形が見てのとおりトランペットに似ているところ、また、英名からである。
本属の仲間は、
アメリカチョウセンアサガオ 、
チョウセンアサガオ を掲載している。
チョウセンアサガオ属は、世界中の熱帯、
亜熱帯に分布するが、一部温帯にも産し、約24種がある。
本属には、薬用植物として導入され、現在野生化した種類
(花が小形で上を向いて咲き、果実は球形か卵形で刺がある一年草)
と、園芸植物として導入され栽培されている種類
(花が大形で垂れ下がって咲き、
果実は紡錘形かレモン形で刺のない多年草)に
大別され、それぞれチョウセンアサガオ節、
キダチチョウセンアサガオ節とされるが、
キダチチョウセンアサガオ節を独立させて
キダチチョウセンアサガオ属とする見解もある。
ここでは私の図鑑に基づきチョウセンアサガオ属に統一した。
チョウセンアサガオ属は、多年草または一年草の草本か
亜低木または小高木で、通常悪臭がある。
葉は互生し、大形で波状縁で分裂または全縁をしている。
花は大形で有柄で葉腋に単生し、多くは白色で、
淡黄色、淡桃色、紫色、赤色もあり、芳香の有るものが多い。
花冠はラッパ状で舷部は5裂し、角状に突出している。
雄しべは花筒の基部付近につき、花筒に内存するか超出する。
子房は上位で2~4室である。果実は球形、卵形、
紡錘形で刺が有るかまたはなく、4開裂するか不規則に割れる。
萼は筒状または仏炎苞状で長い。種子の多くは扁平である。
一年生の種類には全草にトロピン系アルカロイドを含み
喘息などの鎮痛薬として用いられる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前(植村猶行監修:NHK出版)]