ナ ス
ダツラ(チョウセンアサガオ)
Datura metel
ダツラ・メテル
Downy thorn apple , Horn-of-plenty
インド原産
一年草
チョウセンアサガオは、インド原産の一年草である。
この植物の分類は混乱し、とくに花冠の形質(色や花弁の数)
が異なったものに対しては、学名の採用に異説が多くある。
高さ1.5mになる一年草で全株無毛かそれに近い。
葉は卵形から広卵形で、全縁か不規則に大きく鋸葉がある。
花は白色で長さ14~20㎝で、舷部の裂片は芒形で短い。
果実はやや球形で太い刺があり、径3㎝である。
海外では薬用に栽培されている。
1805年に華岡青洲が乳癌手術に用いた麻酔薬はこの植物から採ったものである。
本属の一年草としてはもっとも多く栽培され、いくつかの園芸品種がある。
花色に白、黄、紫、青などがあり、八重もある。
画像は、3枚とも園芸品種で八重咲きである。
本種は、アメリカチョウセンアサガオとの区別が難しく、
両種について今後も調査が必要である。
チョウセンアサガオ属は、世界中の熱帯、亜熱帯に分布するが、
一部温帯にも産し、約24種がある。
本属には、薬用植物として導入され、現在野生化した種類
(花が小形で上を向いて咲き、果実は球形か卵形で刺がある一年草)
と、園芸植物として導入され栽培されている種類
(花が大形で垂れ下がって咲き、果実は紡錘形かレモン形で刺のない多年草)
に大別され、それぞれチョウセンアサガオ節、
キダチチョウセンアサガオ節とされるが、
キダチチョウセンアサガオ節を独立させて
キダチチョウセンアサガオ属とする見解もある。
ここでは私の図鑑に基づきチョウセンアサガオ属に統一した。
チョウセンアサガオ属は、
多年草または一年草の草本か亜低木または小高木で、通常悪臭がある。
葉は互生し、大形で波状縁で分裂または全縁をしている。
花は大形で有柄で葉腋に単生し、多くは白色で、淡黄色、
淡桃色、紫色、赤色もあり、芳香の有るものが多い。
花冠はラッパ状で舷部は5裂し、角状に突出している。
雄しべは花筒の基部付近につき、花筒に内存するか超出する。
子房は上位で2~4室である。果実は球形、卵形、
紡錘形で刺が有るかまたはなく、4開裂するか不規則に割れる。
萼は筒状または仏炎苞状で長い。種子の多くは扁平である。
一年生の種類には全草にトロピン系アルカロイドを含み
喘息などの鎮痛薬として用いられる。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
本属の仲間は、
アメリカチョウセンアサガオ 、
キダチチョウセンアサガオ を掲載している。