ナツカン(夏柑)、ナツダイダイ(夏橙)
ミカン
キトルス(ミカン)
Citrus natsudaidai
キトルス・ナツダイダイ
Natsudaidai orange ,
Japanese summer orange
山口県長門市産
常緑小高木
ナツミカンは、ミカン属の1種で、
果実を食用とする果樹である。
ナツミカンは、ウンシュウミカンに次いで生産量が多く、
日本の晩生カンキツの中ではもっとも重要であるといえる。
特有の爽快味を有し、根強い需要がある。
ナツミカンは、山口県長門市仙崎の産で、
西本要助邸には推定樹齢250年のナツミカンの樹があり、
文部省より史蹟天然記念物として指定されている。
発見当時は結実しても、その採収適期を知らなかったために、
化物と称してほとんど顧みられなかったという。
兒玉惣兵衛氏が苗木を萩に導入し、
兒玉みかんとして増殖された。萩の武家屋敷内には、
現在でもナツミカンが栽植されており、
土塀とともに明治維新当時の風情が残されている。
ナツミカンは、花は頂生または腋生で、総状花序をなす。
果実は扁球形で、400g前後である。
1果当たり10~14のじょう嚢からなっている。
種子数は20~30個である。
シロップ漬けや果汁にすると、
ナリンギンの苦味が強く感じられるが、
酵素分解によってプルニンやナリンゲニンが生成されると、
苦味が消失する。
ナツミカンの果汁はウンシュウミカンの果汁に混ぜたり、
ほかの清涼飲料にも混ぜて利用される。
さらに果皮はマーマレードの材料としても使われる。
ミカン属は、159種からなり、インド東部、ビルマ、
中国に分布する。常緑の低木または高木である。
ふつう枝には刺がある。葉は複葉が退化した単身複葉で互生する。
葉身は革質で透明点があり、全縁または鈍鋸歯縁である。
葉柄はしばしば有翼である。
花は両性で芳香性のあるものが多く、
ふつう葉腋に単生あるいは短い総状花序などにつく。
萼は4~5裂する。花弁は通常白色で4~5(~8)裂する。
雄しべは花弁数の4~10倍ほどあり、花糸が合生することがある。