ハナミョウガは、千葉県以南の暖地の林床に自生する多年草である。
高さ40~60㎝になり葉は光沢がない。葉の両面、
とくに下面にはビロード状の細毛がある。葉鞘、葉舌ともに毛がある。
花序は穂状で長さ10~15㎝で、直立し密に細毛がある。
花序の各節に2~3個の花がつき、花には短柄がある。
唇弁は白色で紅色の条があり、縁は波状に縮れ、
基部両側に黄色のとがった付属体がある。
果実は広楕円形で細毛があり、赤色で先端に萼が宿存する。
種子を伊豆縮砂といって薬用(健胃剤)とする。
一・二枚目(右上・左)は、野の調べさんが、「ハナミョウガ」
のタイトルで、次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 今日は汗ばむほどの陽気となりました。薄暗い森の中に赤い
花が目立っていました。今年もハナミョウガに出合えました。
薄暗い森の中で赤い色の花は目立っていました。』
ハナミョウガ属は、旧世界の熱帯に250種以上が分布する多年草である。
葉はカンナに似て強靭で葉鞘に続く部分には葉舌がある。
葉鞘は巻き重なって偽茎となる。
偽茎の先に円錐または穂状の花序をつける。
花序の苞は膜質でふつう早落し、筒状の萼には3歯牙がある。
花冠は漏斗状で3裂し、通常後ろの1裂片が大きい。
雄しべは6個あるが、内側の3個のうち1個のみが完全で稔性があり、
その葯隔に沿って細い花柱が合着し、葯の上部に柱頭を
のぞかせる。
完全雄ずいの下部両側には2個の小さな仮雄ずいがあるが、
退化していることもある。
外側の3個の雄しべはすべて仮雄ずいで、1個は退化しているが、
2個は合着して大きく花弁状となり先端はふつう2裂する。
この花弁状の仮雄ずいがもっとも目立つ部分で、
ふつう唇弁とよばれている。
子房は下位で3室で、果実は蒴果または液果状である。
地下には根茎があり芳香が強い。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]