ユ リ
フリティラリア(バイモ)
Fritillaria camtschatcensis
フリティラリア・カムチャトケンシス
Kamchatka lily
多年草(球根)
クロユリは、本州中北部、北海道、千島、サハリン、中国東北部、
ウスリー、カムチャツカ、北アメリカ西北部にかけて分布し、
やや湿り気のある草地、林間などに生育するする。
本属は、異なる生態型による住み分けが見られ、
本州、北海道の高山に生育するものは、花が単生するのに対し、
北海道以北の低地のものは、全体に大柄で3~7花をつける。
前者をミヤマクロユリ [
var. alpina ((変種)アルピナ)]、
後者をクロユリ(エゾクロユリ)と分けてよぶことがある。
こまさんが送ってくれた画像のクロユリは、
花が数個ついているところから、後者のクロユリと思われる。
本種は草丈10~50㎝で茎は緑色で無毛で直立する。
茎の中央部より上に3~5個の葉からなる輪生葉を2~3段つけ、
その上部に2~3個の小形葉を互生する。
茎頂の短柄の先に、径2~3㎝ほどの広鐘形の黒紫色の花を斜め下向きに開花する。
花被片はひし状楕円形または倒披針状楕円形で質厚く内面に網目模様が入り、
背面に縦に1稜がある。
雄しべ雌しべとも潜在し、雄しべは花被片の半長ほど、
葯は黄色で、雌しべはほとんど基部より3裂し、半巻する。
平地では5~6月に開花する。悪臭を放つ、
地下部に径1.5~3㎝の球形白色の鱗茎を形成し、
ときに短いほふく枝を出す。
鱗茎は多数の関節を有し、ここで折れやすい。
北海道では古くからこれを食用とした。
蒴果は直立し、長さ2~2.5㎝の3稜のある広卵形で、
種子は扁平で狭い翼がつく。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前(植村猶行監修:NHK出版)]
画像は三枚とも、こまさんが次のコメントをつけて、
私に送ってくれたものである。
【一枚目(右上)】
『 庭の黒百合とマーブルの
チュウリップ です。白いのは
クモマグサ 』
【二枚目(左上段)】
『 新聞で北大の「黒百合」が今見ごろとの記事を見つけて
友人と行って来ました。以前は野生のが沢山有ったが、
消滅しかかって来たので、保存会が手入れして植えているとの事でした。
規模は小さいですが、見事に咲いていました。』
【三枚目(左下段)】
『 我が家の花壇も賑やかになってきて楽しみです。
急に暖かくなってきたので一気に咲いている感じです。』
本属の仲間は、 アミガサユリ を掲載している。