チューリップ属は、栽培の歴史や品種改良の点で、また球根の生産、
取引、国際的な流通の量などから見てももっとも重要な球根花卉である。
本属は、中央アジア、北アメリカに広く分布し、約150種からなるが、
園芸的に栽培されているものは、そのうちの20種程度である。
チューリップ属は、有皮鱗茎をもち、茎は単生で1~数花をつけ、
葉は線形、卵形または披針形で、花は上向きまたは横向きに咲き、
鐘状または漏斗形で、花被は散生である。
花被の内側の基部に斑紋があり、それが分類上の手がかりになる。
雄しべは6個で花被片より短く、花糸はやや扁平で、葯は長楕円形で直立し、
縦裂開する。柱頭は3裂して背曲し、花柱は短い。
一般に花壇などで栽培されているチューリップを、
ガーデンチューリップとといい、
Tulipa gesneriana(ツリパ・ゲスネリアナ)
という学名が与えられており、ここではこの学名を採用した。
しかし、その原産地や野生種は明らかでなく、
トルコより導入された当初から、いくつかの野生種の雑種であったと見られる。
ガーデン・チューリップの園芸栽培史は次のとおりである。
チューリップがトルコからヨーロッパに紹介されたのは
16世紀になってからである。アラブ諸国では、
それ以前から栽培化されており、古い美術品などにふんだんに
チューリップの花模様が描かれている。
そのチューリップがヨーロッパに紹介され、
1593年にオランダのライデン大学の植物学者のクルシウス氏が、
地元の農家に栽培させ普及に努め、
オランダが今日のチューリップの大産地となっていった。
その後、チューリップはイギリスやフランスにも渡り、
上流階級の間で異常な人気を集め、1634年~1637年にかけて、
歴史にも残るチューリップ狂時代となった。
19世紀に入り、ダーウィン系やコッテージ系が生まれ、
またオランダの海岸地帯での生産も増え、
チューリップはしだいに大衆の花となって普及し、
花壇植えや促成栽培も始まった。
第2次大戦後、従来のチューリップに加えて、
中近東原産の野生種が交配され新品種が続々と登場した。
とくにダーウィン系と
T. fosteriana(T.フォステリアナ)
との種間雑種、すなわちダーウィン・ハイブリッド系は、
高性巨大輪であり、それまでのチューリップのイメージを変えた画期的なものであった。
チューリップは、日本には文久年間(1861~64)に球根が初めて輸入され、
栽培が始まったのは日露戦争のころだといわれている。
しかし、オランダにならって球根生産が始められたのは、
1919年新潟県小合村においてである。大戦中は一時生産が減少したが、
その後栽培面積も増加して、現在では新潟、富山両県を中心として、
日本海沿岸の各県で生産し、主として国内需要を満たしている。
チューリップの園芸品種は、古い園芸品種も合わせると、
約8000種もあったといわれているが、
途中で絶えてしまったものや経済価値の低いものなどは整理された。
オランダの王室球根協会から1981年に発行された園芸品種リストによると、
約2000があげられている。これらの園芸品種のうち、
とくに大量に球根が生産されているのは約150ほどである。
日本でこれまで栽培された園芸品種は600ほどであったが、
現在市販されているものは100品種程度である。これらの園芸品種の大部分は、
オランダから種球で輸入されたもので、日本で育成されたものはごくわずかである。
チューリップの園芸品種の分類法は前述のリストで大きく改編され、
従来の歴史的分類法を捨てて、新しい時代に即応するように、
開花時期と花形から11系統に分け、
他に4つの野生種系統を加えすっきりしたものになっている。
そのため、昔からなじみの深かった中生のメンデル系はトライアンフ系に、
晩生のダーウィン系やコッテージ系は、
一重晩咲き系にそれぞれ統合されている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
ここに10品種のチューリップを掲載したが、
品種を特定できるものが一つもないことは、チョと寂しいかぎりである。
八枚目(左)は、こまさんが、「こんにちは!」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 今年はまだどこへも行かず・・・・
カメラ持って遠出したいなあ~~~。
ネットサーフィンで山野草を楽しんでします。
庭の
黒百合 と マーブルのチュウリップです。
白いのは
クモマグサ 』
九枚目(左)は、 hiro&shii さんが、 私がキリプレを送ったことへのお礼の言葉に チューリップを添えて送ってくれたものである。
十枚目(左)は、
Junko さんが、
「春の花ざかり」のタイトルで、次のコメントをつけて、
私に送ってくれたものである。
『 京都府立植物園にセツブンソウを見に行って
きました。写真のチュウリップと雪割草は温室で
咲いていましたが、節分草は屋外の木立の中で
木漏れ日を浴びながらありました。
とても小さく色も地味なので見落としそうでしたよ。
今週末はもう3月ですね。 虫も這い出す啓蟄も来ます。
あとちょっとで本当の春~♪
一枚目
セツブンソウ ・ 真ん中チュウリップ ・
最後は
雪割草 です。』