ボタン
パエオニア(ボタン)
Paeonia lactiflora
パエオニア・ラクティフロラ
Common garden peony , Chinese peony
中国北部、シベリア東南部、
モンゴル、朝鮮半島北部に分布
多年草
シャクヤクは、中国北部、モンゴル、シベリア東南部、
朝鮮半島北部に分布する多年草である。
高さ50~90㎝で根は紡錘状になり、
花は大形で白~赤色であり、しばしば八重咲きとなる。
中国では紀元前にすでに薬草として栽培され、
その後はおもに観賞用に栽培された。
日本での最初の記録は、小野小町の時代(850年代)であるが、
これらの記録は本当のシャクヤクであったかは疑問視する説が多く、
確実な記述は有名な生花の本である「仙伝抄」(1445年)
が最初であるという意見が強い。
その後、江戸時代に各所でシャクヤクの園芸品種が改良されたが、
比較的あっさりとした花形が好まれていたようである。
明治時代以後には神奈川県立農事試験場で、
明治末期からは宮沢文吾氏を中心に品種改良が組織的に行われ、
1932年(昭和7)には新品種700品種が発表された。
シャクヤクの園芸品種は、全部で約3000品種もあるといわれており、
最近ではアメリカを中心に種間雑種も多く作り出されており、
さらに品種数は増え続けている。
シャクヤクの根を乾燥または蒸乾したものを芍薬
( PAEONIAE RADIX )
と称し、薬草として活用されている。
ボタン属は、北半球に約30種あり、西ヨーロッパから中央アジア、
中国、日本を経て、北アメリカ西部にかけて分布する。
多くは草本でときに低木である。
葉は大形で互生し、通常2回3出複葉で、
小葉片は分裂して全縁あるいは分裂し、葉柄の基部は鞘状に広がる。
花の大きく、観賞価値のあるものが多い。
萼片は5個あり、宿存性である。
花弁は5枚または10枚で幅広く、白色、桃色、
紅色または淡黄色などの花色をもつ。
雄しべは多数である。雌しべは1~8個あり、
雌ずいが花盤(密盤)に取り囲まれる。
果実は袋果で裂開し、多数の種子を含む。
種子は大きく、仮種皮をもち、多量の胚乳がある。
ボタン属の分類に関しては、イギリスのスターン氏による研究があり、
それによれば、花盤の発達のよいボタン節と、
発達の悪いシャクヤク節の2節に分けられる。
また一般に、「立てばシャクヤク座ればボタン」といわれるように、
ボタン節のものは木本性で分枝して横ばりの樹形を示し、
シャクヤク節のものは草本性で分枝せずに茎が真っ直ぐに立つ草姿を示す。
四・五枚目(左上・左)は、広島県人さんが、次のコメントをつけて、
私に送ってくれたものである。
『 庭の芍薬とユキノシタをお持ちしました。』
六枚目(左下)も、広島県人さんが、「こんばんは」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 バタバタ忙しくしている間に庭の花々はつぎつぎ
咲いていました。心にゆとりがないと花にも
気付かなくて・・・ でもヤット一息できるように
なりました。 芍薬 と
石楠花
が
今とってもきれいに咲いています。 』
かつてボタン属は、キンポウゲ科に分類されていたが、
現在は本属のみからなる単型のボタン科が設立されている。
ボタン科がキンポウゲ科と異なる点は、
果実が成熟するまで萼片が宿存すること、
雌ずいの周囲に雄しべに由来すると見られる
花盤というひだ状の特殊な器官があることであり、
さらに維管束の配列、胚珠の構造、胚の発生様式、花粉の形態、
種子のタンパク反応、染色体の基本数などに多くの相違点が見られることである。