クモマグサ(雲間草)
ヨウシュクモマグサ(洋種雲間草)
ユキノシタ
サクシフラガ(ユキノシタ)
Saxifraga rosacea cv.
サクシフラガ・ロサケア(園芸品種)
Irish saxifrage
園芸品種(親種はヨーロッパ原産)
常緑多年草
セイヨウクモマグサは、ヨーロッパ原産の
S. rosacea
(S.ロサケア)を親種とする園芸品種の常緑多年草である。
花色は白色または淡紅色である。
本種は、クモマグサで流通しているが、和名がクモマグサは、
S. merkii var. idsuroi
(S.マーキー(変種)イドゥスロイ)であり、
本州の高山の岩礫地に生える高山植物であり、両種は区別する必要がある。
本属の仲間は、
クモマグサ 、
ジンジソウ 、
ユキノシタ
を掲載している。
ユキノシタ属は、約300種以上からなり、
非常に変異の多い植物として知られている。
多くは多年草であるが、一、二年草も少数ある。
ほとんどが北半球(とりわけヨーロッパやヒマラヤを含む中央アジア高地)
の温帯から周極付近にかけての山地や岩場に分布し、
一部が南アメリカのアンデスにおよぶ。
日本には、ユキノシタやダイモンジソウなど数種が分布する。
ごく小形の植物で多くはロゼットを形成し、
クッション状あるいはコケ状に群生することが多い。
また、周極地域の雪線付近や気象の変化をまともに受ける
高山の岩場に生えるものがあるように、
きびしい気象条件によく耐えて生育するものが多い。
葉は単葉であるが、しばしば深裂し、ときに3出葉となり、
互生または根出しまれに対生する。
葉に腺があっても、腺毛や腺点となり、近縁の
Bergenia (ベルゲニア属)
のように小穴状の腺点にはならない。
花はふつう5数性であるが変化もあり、放射相称または左右相称である。
少数~多数の花が集散花序につき、総状、
円錐状などを呈するが、ごくまれに葉腋に単生する。
花色は白色が多く、しばしば紅紫色の斑点を有し、
ときに黄、桃、赤色などがある。
萼片は離生、または基部が子房に合生して萼筒を形成する。
花弁は同形または不同形である。雄しべは10個で内外2輪に配する。
花糸は線形で、しばしば上部が膨大する。葯は2室である。
子房は2心皮からなり、上位または中位で2室である。
心皮は花柱を除いて合生するか、基部のみ合生する。種子は多数である。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )]