ソラマメ(蚕豆)
マ メ ( マ メ 亜科)
ウィキア(ソラマメ)
Vicia faba
ウィキア・ファバ
English bean , European bean ,
Horse bean , Broad bean , Windsor bean
中央アジア~地中海沿岸原産
一年草
ソラマメは、中央アジア~地中海沿岸原産の一年草であり、
種子を食用とする。
莢が小さいときに蚕の形をしているので、また、春、
蚕がまゆをつくるころに実るので、蚕豆と書くといわれる。
莢が空を向いてつくので空豆だともいわれている。
草丈は1m内外になる。茎は直立し、
断面は四角形で中空である。株元から多くの分枝を生ずる。
春、葉腋に短い花柄をもった花を1~5個つける。
花は白色か淡紫色で、旗弁にある黒色の斑紋が特徴である。
莢は濃緑色で長さ5~10㎝となり、直立する。
中にふつう2~4個の種子をつける。
種子は扁平の腎臓形で、長さは10~28㎜と、栽培品種により異なる。
種皮は初め淡緑色で成熟・乾燥が進むと褐色となる。
へそ部が大きく、未熟時には淡緑色で成熟すると黒くなる。
ソラマメは、新石器時代の後期に、
農業に取り入れられたと考えられている。
近東で栽培が始まり、その後ヨーロッパへ、
アフリカ北部を通ってスペインへ、ナイル川に沿ってエチオピアへ、
メソポタミアからインドへ、の4方向に広まった。
鉄器時代までに、イギリスを含むヨーロッパで
ソラマメの栽培は確立したようである。
紀元前18世紀のエジプトの遺跡からソラマメが発見されている。
中国では、12世紀以降に栽培が始まった。
日本では比較的新しい作物で、
1630年の書物に名が出たのが初めてとされている。
ソラマメ属は、約150種あり、北半球の温帯に多く分布し、
南アメリカにもあるが、ソラマメと交雑できる種はない。
一年草~多年草で、多くは蔓性である。
日本では路傍、水田、土手などにふつうに見られる
カラスノエンドウ 、 スズメノエンドウなど、十数種の自生品がある。
葉は互生し、偶数羽状複葉でしばしば葉軸の先端が巻きひげになっている。
托 葉
はあるが小托葉はない。
花は腋生で1~数個が束生するか総状花序につく。
苞は小さく、小苞はない。萼は5裂する。
花冠は蝶形で、
翼 弁 は
竜骨弁
より長い。雄しべは10個あり、
うち9個が合着して2体雄ずいとなることが多い。
果実は扁平な豆果で裂開する。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 ) ]
本属の仲間は、カラスノエンドウ以外に、
クサフジ 、
ツルフジバカマ
を掲載している。