トケイソウ(トケイソウ亜科)
パッシフロラ(トケイソウ)
Passiflora caerulea
パッシフロラ・カエルレア
Blue passionflower ,
Blue-crown passionflower
ペルー、ブラジル原産
蔓性常緑低木
トケイソウは、ペルー、ブラジル原産の蔓性常緑低木である。
地下茎から芽を出し叢生(下記注1参照)する。
葉は5~9深裂して掌状葉になり、
裂片は全縁で葉柄の腺体(下記注2参照)は2~6個ある。
花は径10㎝で、萼片と花弁の内側は白色から桃紫色である。
花弁が10枚あるように見えるが、5枚が花弁で、
後の5枚は萼片である。
副花冠(下記注3参照)は4層からなり、基部は紫色で、
中間部は白色、先は青色になる。
果実は楕円体で長さ5~6㎝で、オレンジ色になる。
注1:叢生(そうせい)とは、草木などが、群がってはえること。
注2:腺体(せんたい)とは、被子植物で蜜を分泌する器官あるいは組織で、
明瞭な突起となっているものをいう。
注3:副花冠(ふくかかん)とは、花びらの内側にある弁状の付属物をいう。
三枚目(左)は、広島県人さんが、「因島(いんのしま)」のタイトルで、
次のコメントをつけて、私に送ってくれたものである。
『 公民館の行事「爽やかウォーキング」で瀬戸内海の
因島(いんのしま)へ行きました。村上水軍ゆかりの島で
歴史も勉強になり、五百羅漢のある白滝山への登山、
因島フラワーセンターの温室で咲く珍しい花を見学し、
盛りだくさんの1日を過ごしました。』
広島県人さんが、送ってくれたトケイソウは
Passiflora alata
(パッシフロラ・アラタ)の可能性が高い。
トケイソウ属は、ほとんどの種が熱帯アメリカとその周辺に、
少数がアジア、オーストラリアに分布し、
熱帯各地に野生化しているものがある。
巻きひげにより上昇する草本または木本のつる性植物である。
葉は互生し、形は多様で、切れ込みのないものから2、
3~5裂するものがある。
葉柄には1~8対の腺体があるが、ときにないものもある。
花は腋生で、単生するか総状花序につく。
萼片と花弁はともに5個あり、花弁の内側には1~数層の副花冠がある。
この副花冠の色や模様が種により異なる。
雄しべは5個あり、花糸の基部は合着する。子房は柄をもち、
花柱は3個ある。果実は液果で多数の種子を含む。
トケイソウ属の果実には甘味、風味のあるものが多く、
生食またはジュース、ジャムなどにされる。
数種が亜熱帯、熱帯で果樹として栽培されている。
園芸的には、トケイソウとの種間交配種が数種作り出されている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
私はトケイソウを初めて見たとき、
なんと名前と花姿がピッタリ合う植物に感心したことを思い出す。
トケイソウの一番先端にある時計の針の部分が花柱であり、
3個に分かれて3針時計の形をしている。
その下にある少し膨らんだ部分が子房である。
その周りに5個あるのが雄しべである。
雌しべ、子房、雄しべを支えているのが子房柄である。
子房柄の周りの糸状の部分が副花冠である。この副花冠の有無、形状、
色などが品種により違いがあり、トケイソウを幅広いものとしている。
[ 引用 : 園芸植物大事典
( 塚本洋太郎総監修:小学館発行 )、
花の名前( 植村猶行監修:NHK出版 )]
本属の仲間は、
ベニバナトケイソウ 、
ホザキノトケイソウ 、
パッシフロラ・アラタ
を掲載している。